あの頃は知らなかった、ぼくが君に対して抱いていた感情の名前を。君といると毎日が楽しくて、嬉しくて、幸せがいっぱいだった。約束なんてしなくても、気が付けばいつも一緒で、一緒にいる事が当たり前で、君といれば、なんだって出来たし、出来る気がしてた。自分の一部みたいとかじゃなくて、ぼくには本当に君の存在が大きかった。朝起きるのは辛いけど、君と会えるからちゃんと起きれた。気が付けば、日が暮れて、バイバイしたあとも電話やメールで繋がって、明日また会えるってゆうのに、電話を切るのが惜しくって、メールを終わらせるのが嫌で、お互いずーっと、他愛も無いやりとりが、本当に楽しかった。そんな幸せがずーっと続けばいいのに、なんて思う隙もないぐらい、ずーっと一緒にいることが当たり前だった。

今君はどこで何をしているんだろう。

 

 

あのとき、あの電話をとっていたら、今は変わっていたの?

 

あの頃の楽しかった日々に、今更憧れるのは馬鹿げた噺だ。君との日々にリンクしているモノ全て、闇に葬った。だってそれは今のこれからのぼくには必要ないものだからね。モノは葬り、話もしない。全部無くせば、少しは楽になれるだろうか。

 

 

それからぼくは、心にそっと鍵をかけた。