「Love Wins All」のMVが公開されて、様々な声が上がっています。

楽曲と歌唱力、MVに出演した2人の演技力、監督の演出と映像の技術の素晴らしさ。
沢山の高評価を得た一方で批判や抗議のような意見もあったようです。



何かにつけて、こうした事は多々ある。


何世紀も語り継がれた物語、絵画。

各種の賞を受賞した文学作品や映画、楽曲。


人が発した物にはその人の「思想・意見・主張・感情」など「表現したいもの」「伝えたいこと」が込められている。


例えばテレビ番組やニュースのコメンテーターであっても、発する言葉にはそれらが含まれてしまうわけで。

そして。それらは当然誰もが同じではない。

人の数だけ違う「思想・意見・主張・感情」があって当たり前。



芸術に関しても、物議を醸し出す「表現」を使った作品は沢山ある。




そして今回この様な記事が出されました。
 



【IUの新曲「Love wins all」MVに一部指摘の声も…全国障害者差別撤廃連帯がコメント】

IUの新曲「Love wins all」のミュージックビデオに障害者を差別する内容が含まれていると指摘された中、全国障害者差別撤廃連帯(SADD)は29日、同ミュージックビデオについての立場を発表した。

SADDは「まず、私たちはIUさんを非難したり、責めたりするためにこの文章を書くのではないということを明確に申し上げたいと思います。『Love wins all』のミュージックビデオと関連した多くの論争と批判を十分に理解しています。私たちは論争と批判と共に、障害者の人権に対する社会的関心を拡張し、多様な社会的少数者の存在が芸術コンテンツでどのように扱われるべきかについて、市民の方々とIUさんと共に悩みたいと思います」と伝えた。


続けて「私たちは毎朝、ミュージックビデオの『キューブ』のような存在と戦っています。沈黙宣伝戦さえ多くの警察、ソウル交通公社の職員の暴力で追い出され、彼らのあらゆる言語暴力にも耐えなければなりません。さらに、障害者も一緒に暮らそうと叫んだという理由だけで、SADDの多くの活動家たちが数回にわたって暴力的に連行されています。インターネットはもちろん、現場でも多くの差別や嫌悪、悪口に耐え、障害者が解放される世界を夢見て闘争しています。そのように私たちは『大嫌悪の時代』を生きています」と綴った。

また「それにもかかわらず、私たちは現実の『キューブ』に対抗し続けようとしています。私たちが作りたい『ビデオカメラの中の世界』は障害者が非障害者として『克服』される世界ではなく、障害者も一緒に移動して、仕事をして、地域で一緒に暮らす世界です。また、性的少数者も、労働者もこの世界を生きていくすべての社会的少数者も共に認められ、尊重される世の中を願います。私たちはこの『ビデオカメラの中の世界』を現実の世界に変えるため、今日も街の地下鉄駅に出かけます。そのように行動したら世界が変わり始めました」と立場を明らかにした。

そして「IUさんの歌う『愛がついに勝つ』世界と疎外される誰かに『怖くない。私たちが一番素敵に沈もう』とささやいて慰めの言葉を渡すように、SADDは誰も差別されたり、排除されない世の中を作るため市民不服従運動を続けてまいります。そしてIUさんと私たちが進む道がいつかは一緒に会って誰も排除されない世界を共に作り、The real『Love wins all』と叫ぶことを願っています」と伝えた。

「Love wins all」は、24日に公開されたIUの新しいアルバムの先行公開曲だ。IUとBTS(防弾少年団)のVが出演したミュージックビデオはオム・テファ監督が演出し、注目を浴びた。

しかし、同ミュージックビデオの解釈について意見が分かれた。一部では、今回のミュージックビデオに障害者を差別する内容が含まれているという指摘もあった。劇中、IUとVがそれぞれ耳と目が不自由な人物を演じ、ビデオカメラを通じて健常者カップルの愛を理想的に眺めているという指摘で、障害者を対象化し、浪漫化、正常化を追求したと批判された。

記者 : ソン・ミギョン

 


こちらは全国障害者差別撤廃連帯のコメント全文です。



[全長年満載] The real "Love Wins All"

IU、ユエナ、そして一緒にいる市民の皆さんへ  



お会い出来て 嬉しいです。市民の皆さん。私たちは22年目の障害者権利のために活動している全国障害者差別撤廃連帯(SADD)です。まず、IUの新しいシングル「Love wins all」の1位を心からお祝いします。まず、私たちはこの満たしを通してIUを非難したり、責めたりするために作ったのではないことをはっきりと申し上げたいと思います。
「Love wins all」ミュージックビデオに関連する多くの議論と批判を十分に理解しています。私たちは議論と批判とともに、障害者人権に対する社会的関心を拡大し、様々な社会的少数者の存在を芸術コンテンツでどのように扱うべきかについて市民やIUと一緒に悩みたいと思います。

 私たちは毎朝ミュージックビデオの「四角」のような存在と戦っています。沈黙宣伝戦すら数多くの警察、ソウル交通公社職員の暴力の中から追い出され、彼らのいろいろな言語暴力も慕われなければなりません。障害者も一緒に暮らそうと叫んだという理由で、数々の活動家が数回暴力的に連行されています。インターネットはもちろん現場でも飛び出る数多くの差別や嫌悪、悪口も飲み込んで障害解放の世界を夢見て闘争しています。そう私たちは「大嫌悪の時代」を生きています。  


それにもかかわらず、私たちは現実の「四角」と戦い続けています。私たちが作りたい「ビデオカメラの世界」は、障害者が非障害者として「克服」する世界ではなく、障害者も一緒に移動し、働き、地域で一緒に暮らす世界です。また、性的少数者も労働者も、この世界を生きていくすべての社会的少数者も共に認められ、尊重される世界を願っています。私たちは、この「ビデオカメラの中の世界」を現実の世界に変えるために、今日も通りに地下鉄駅に出ます。そう行動すると、世界が変わり始めました。 



IUさんの歌う「Love Wins All」が世界と疎外される誰かに「怖くない。私たち一番かっこいい」とささやく慰めの言葉を渡すようにSADDは誰も差別されたり排除されない世界を作るために市民不服従運動に進み続けます。

 そしてIUさんと私たちが進む道が いつかは一緒に会って誰も排除されない世界を一緒に作り、The real "Love wins all" を叫ぶことを願っています。 



2024 1.28 

全国障害者差別撤廃連帯 


P.S:チョン·ジャンヨンの闘争を支持し、後援および多様な方法で連帯を続けて下さるユエナの皆様と市民の皆様に心より感謝申し上げます。 皆さんのおかげで、ただ一瞬もチョン·ジャンヨンは一人だったことがありません。 チョン·ジャンヨンは市民の皆様と共に、市民の皆様のそばで絶えず闘争します。

 

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とても大切な事を伝えてくれている楽曲でありMVなのに、やはり全ての方に制作側の真意が伝わるのは難しいようです。


公開間際の楽曲タイトルの変更、IUさん、監督からのメッセージやMVの解釈が出されても受け取る側の立場等で印象も感想も様々でした。


それでも制作側、特にIUさんにとっては全国障害者差別撤廃連帯の方がメッセージを読んで理解を示し感謝まで伝えて下さった事は幸いだったのではないでしょうか。




「言葉の自由」「表現の自由」「思想の自由」は自由なだけに違いも生まれますが、その中で自分との違いを知るのは大事なことだと思います。



顔を合わせて、声を聞いていても「伝わらない」「誤解」が生じる事も多々あります。

芸術の世界は更に難しく、奥が深い。

時代が移ると共に「常識」「タブー」でさえも変化し、発信する方も受ける方も、どちらもアップデートと配慮が必要です。


MVという短い時間の中で「社会的少数派」「抑圧」「謂れのない嫌悪」を表現するのは難しく今回は「身体的に障害がある人物」が主人公になった訳ですが、それを「差別」と捉えるのは違うと私は思う。


「抑圧」されている側の方がどういう感情になるのかは、それも様々で嫌な思いをした方、見たくないと思う方がいらっしゃるのも事実なのでしょう。


「言葉の自由」を盾に、ネットの気軽さを武器にし容易く人を傷つける言葉を発する人達が多い時代に生きる私達に今回のMVは「注意喚起」であり「学び」でもあると捉え、「四角」に抑圧される側の人達にとっては「寄り添い」「励まし」のメッセージが込められた作品だった。

この作品は、そういう「差別」をしているものではないということ、IUさんや監督のメッセージをどうか受け取って頂きたいと言いたい。



障害をお持ちの方だけでなく社会的少数派と言われる方が差別され、誹謗中傷される事が多い世の中で、MVに出演した2人もまた世の中に傷つけられています。
有名であるが故にその数はとても多いでしょう。
(どちらがどうと言いたいのではありません。)


健常者である者が彼等を誹謗中傷したいが為に「社会的少数派」に対する差別だとか、活動家気取りで声高く叫ぶの方が「差別」でありそういう方を馬鹿にしている行為だと思う。


私の友人は「差別」をされた側の人です。
その友人が言った言葉です。
「差別、差別と騒ぐのは逆に差別しているし、それがこちら側の人なら自分で自分を貶めていると思うから私は騒がれたくない、騒ぎたくない。ただ、みんなと同じ様に生きたい暮らしたいだけ。」


同じ「抑圧」を受ける側の感じ方、捉え方も様々です。

「当事者」で無い者は色々なことに配慮して欲しい。



「木を見て森を見ず」
「森を見て木を見ず」
物事を考える時どちらも大事なのですが難しいですね。




お互いの生命を奪ってしまう戦争も、言葉のナイフや指の操作だけで生命を奪ってしまう世界も失くなって欲しいものですね。



大事な人を愛する心があるなら、大事だと思う心があるなら
自分が刃を向けようとしてる相手にもまた、大事な人がいてその相手も誰かに愛されてる人である事を忘れないで欲しい。




今回のMVは、私の個人的感想は「見せて貰って良かった」です。


テヒョンの演技が見れたからとかそういう理由を抜きにして、IUさんのメッセージを読んだから。

色々な事を考え、学ぶ機会を与えてくれたから。







「Love Wins All」MVを制作した方々と素晴らしい作品に出演してくれた2人に感謝を込めて。








(画像、記事お借りしました🙇)