あなたはきっと
いくつもの季節を軽やかに渡ってきた人で
そのひとつに、私の時間もあった
それだけのことと
わかっているのに
十年前のやわらかな記憶は
今もふと、胸の奥でほどける
髪がきれいにまとまった日や
少しだけ自分を好きになれる朝
光の方へ歩いていけそうな日には
不思議と、あなたのことを思い出す
会えたら、なんて
ほんの少しだけ思ってしまうけれど
きっとあなたは今も
誰かと穏やかな時間を重ねていて
そこに私の居場所はないと
ちゃんと知っている
それでもいい、と
どこかで思えているのは
この想いが
悲しさだけでできていないから
遠い日のぬくもりとして
私の中に残りながら
新しい光の中へ
静かに溶けていく
そんなふうに
少しずつ、やさしく変わっていくのだと思う