mqnonのブログ

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朝、寒さはまだ部屋の隅にうずくまっていた。

こたつの縁に溜まったため息のように、

私は動くことを拒みながら、それでも立ち上がった。

洗濯槽の奥に潜んでいた腐臭を追い出し、

子どもの部屋からは、忘れられた玩具の亡骸を

紙袋ひとつ分だけ、静かに葬った。


人は、ほんの少し何かを片付けただけで、

自分の人生まで整えた気になる。

私はその錯覚を知りながらも、

それでも救われる気がして、皿を並べ、空間を測り、

秩序という名の小さな勝利を抱えた。


昼、雲は割れ、

太陽は斜めに部屋へ侵入してきた。

その光は祝福ではなく、

問いのように床を照らした。

「それで、お前はどこへ行くのか」と。


私は外へ出ることを考え、

同時に外を拒んだ。

人の気配、視線、言葉にならない関心。

それらは刃物のように見え、

しかし実際には、私自身の神経が

自分を傷つけているだけなのだと、

どこかで理解していた。


午後、晴れた空の下で、

私はなぜか少し寂しくなった。

寒さが去るとき、人は安堵よりも

空白を受け取ることがある。

それは敗北ではなく、

戦うことをやめた兵士の静かな帰還だ。


私は今日、英雄でも敗者でもなかった。

ただ、

臭いを消し、物を減らし、

心の重さをほんの一握り軽くしただけの、

名もなき一日を生きた。


だがそれでも、

夕暮れの太陽光の色は、

私にこう告げていた。


「お前はまだ、ここにいる。

それで十分だ。」