暖かい今日この頃ですが・・・。
全国一斉休校が物議をかもしております。
とりあえずチビが元気になったのだけはよかったとです。
近所のスーパーでトイレットペーパーは売り切れとは???
おい!世間のみなさまよ。
お・ち・つ・け。
そんなことはさておき表題の通り今回は巻きブレスのコマ修正です。
昨今の高騰で容易に入手できなくなった巻きブレスです。状態の良いものは数十まんで売ってるショップも。
あへー!
けどやはり古い時計には年代のあった古いブレスを合わせたい!
ということでここで手持ちの状態のビミョーな巻きブレスのコマ修正を行ってみたいと思う次第です。
サイズ調整も同じ作業で可能ですし、リベットブレスも同じ要領ですので必要な方はどうぞご参考に。
はい、下の写真は手持ちの9315 FF380巻きブレスです。
9315についてはデフォルトで13コマだったと思います。これは10コマしかないので昔に3コマ分コマ詰めされています。
上が6時側、下が12時側です。
6時側についてはフラッシュフィット側から数えて2コマ目、12時側については3コマ目・5コマ目の表面に変形があります。
これはたぶんサイズ調整した際にへたくそなやつがいじったおかげでこのように表面のアールが逆に折れ曲がったように変形してしまったのであろうと思われます。
裏側の状態です。
わかりやすいのが下側の左から2番目のコマの真ん中の隙間が若干開いているところです。
これは以前にコマ調整をした際にできた隙間ですね。
はい、いきなりはじまりますがこの隙間にこじ開けを突っ込みます。(ちなみに関係ないコマを間違っていじらないように変形したコマをマッ
キーでマーキングしています。)
なるべく奥の奥までこじ開けを突っ込んだらぐっと力をこめてコマを開きます。
上の写真はすでにコマが取れちゃったところですね。
コマを縦に置くとわかりやすいですが波打ったように変形しています。
今回これをきれいに修正してもとに戻します。
こじあけを突っ込んでるところです(写真の向きが見づらいですが)。
こじあけと一緒に柄が長めなマイナスドライバーを突っ込んで開くと簡単です。
この手を使うと軽々とコマが開いてしまうので、むしろ開けすぎないように注意です。
はい、変形している3コマが外れましたので、これらを修正します。
ここで外したコマの裏側をみると、たいていわけのわからない汚れがたまっていますのでキレイキレイするのが基本です。
はい、修正しました。表面の波打ちをフラットに修正しました。
どうやったかというと、こうです。
板金ですね。頭がフラットな六角ボルトをコマのへっこみの裏から当ててハンマーで叩く(写真の向き、ほんとサーセン)。
叩いたらコマの表を確認して、変形が残っているようならフラットになるまで叩く、の繰り返しです。
なお、下に敷いてるのは4ミリ厚程度鉄板の切れ端です。
写真にはないですがある程度修正できたら、200番程度のサンドペーパーを鉄板の上に敷いてコマの表面をごしごし研磨します。
そうしますとへっこみが残っている部分にはヘアラインが入りませんのでその部分がなくなるまでまたは気のすむまでハンマーリング&研磨を繰り返すまでです!
ただしあまりやりすぎるとコマの厚みが伸びて薄くなりますので注意です。伸びすぎた場合はコマのサイズの微調整を要します。
はい、3コマ修正完了です。
修正したコマを仮に並べてみました。もともとのコマと比べても雰囲気が違和感なくなじんでいい感じです。
さてコマを元に戻します。
コマを元の位置にはめ込んだら裏から開いたコマを閉じます。
この際、傷がつかないように割りばしなどを使用します。
はい、閉じました。
これも力のかけ方によっては思いのほか軽々と閉じますので慎重に。
観音開きの合わせがぴったりになるように閉じます。
表側の確認です。きれいになりました。
はい、3コマとも元に戻したところです。
かなりキレイでしょ?
以上で作業完了です。
わたしの作業時間は3時間程度です。
ただ、昔からこの作業をやってある程度慣れていますし、必要な道具ももともと持っていましたのでその点考慮いただければと思いやす。
ちなみに今回の作業では伸びの修正はできません。
巻きブレスの伸びに関しては巷でよく言われているピンの摩耗よりもコマの方の減り(薄肉化)が原因でありますので、修正方法としては、内側に当て板をしたり、ロウ付けしたりの策があります。
実は今回、たまたま持っていたはんだで肉盛りを試みたのですが、うまくいかずそのくだりは省略しました。
ステンレス専用のフラックスやバーナーがあればもしかしたらうまくいくかもなと想像しているのですが、次の機会に再トライしたいと思います。
最後に、これをみて自分でやってみる方はくれぐれも自己責任の下でお願いします。
やっぱり古い時計には年代の合った古いブレスが合いますね!