結果、若武者が百戦錬磨の猛者に勝利した。
開始数ラウンド、リラックスしつつも警戒する猛者に比べ若武者の動きはいつもより固いような。
そこに隠せないような相手に対する過剰なリスペクトがあったのか。
しばらくして、お互い力が抜けてきた瞬間、一筋の閃光を浴びた若武者がばっさりまぶたを切ったあとあたりからか。
ここからずっと、先手をものにした猛者優位にみえた。
表情を変えず毅然と立ちはだかる猛者に対して、いつもより控え目なスタートだった若武者は相手の出方を意識しすぎるあまりにいつのまにか自分のペースを見失った。
最後まで自分のペースをつかめずあがき続けているようにみえた。
このまま終了していればあるいは結果が変わっていたように思える。
しかし終盤、身体的能力でアドバンテージがある若武者が反射的に放ったボディーブローがカウンター気味に決まった。
ここで一気にアドレナリンが放出されたことできっと恐怖から開放されたはず。終盤攻勢にでることができた。
冷静な猛者と荒ぶる若武者、ゴングが鳴り試合終了直後の二人だけのシーン。
兄弟のように抱き合う二人は地獄のような戦いから解放されてお互い心底安心したのではないだろうか。
ぼくちんには二人ともに採点結果なんかはまるで他人事のようにどーでも良いことと思えているような気がした。
百戦練磨の猛者と若武者の戦い & 1655