モーツァルト:ピアノ協奏曲(その1)

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これは12枚組なので、今回は、そのうち6枚分だけ
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CD1
ピアノ協奏曲第1番、ピアノ協奏曲第2番、
ピアノ協奏曲第3番、ピアノ協奏曲第4番

CD2
ピアノ協奏曲 ニ長調 KV107 No.1
ピアノ協奏曲 ト長調 KV107 No.2
ピアノ協奏曲 変ホ長調 KV107 No.3
3台のピアノのための協奏曲第7番『ロードロン』

CD3
ピアノ協奏曲第5番、ピアノ協奏曲第6番、
ピアノ協奏曲第10番

CD4
ピアノ協奏曲第7番『ロードロン』(ピアノ2台への編曲版)
ピアノ協奏曲第8番『リュッツォウ』、ピアノ協奏曲第11番

CD5
ピアノ協奏曲第9番『ジュノム』、ピアノ協奏曲第12番
ロンド イ長調

CD6
ピアノ協奏曲第13番、ピアノ協奏曲第17番
ロンド ニ長調
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「ピアノ」と書いてしまいましたが、当時の楽器からすると、これは正確ではないんでしょうね。

当時は、現代のピアノにあたる鍵盤楽器は発展途上で、かなり不安定なもの。

このCDでも、1~4番、KV107は、「ピアノフォルテ」で演奏されています。
現代のピアノとチェンバロとの中間のような響きで、表現力としては確かにあまり豊かではありません。

モーツァルト以前の時代では、鍵盤をたたくことによって、箱の中に張られた弦をはじいて音を出す、というのが鍵盤楽器のしくみ。
それに対して、このころになると、弦をハンマーがたたいて音を出す、現代のピアノに通じる鍵盤楽器が出てきました。

鍵盤楽器が、「弦楽器」から「打楽器」に変遷したときです。

これによって、音の強弱が出しやすくなって、今みたいなダイナミックな完全楽器になってしまったわけですね。

ピアノって、あまりに完全になりすぎてしまったような感じがあって、私個人としては、ちょっと寂しいです。
ピアノに張り合えるのは、フルオーケストラぐらいしかないように思えますから。

きょうの1曲:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 KV271『ジュノム』

アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

1.アレグロ
2.アンダンティーノ
3.ロンド プレスト

『ジュノム』さんという女性ピアニストのために作った曲。

モーツァルトよりあとの時代のベートーベンなどによるピアノ協奏曲を彷彿とさせます。
ピアノが独奏楽器として、(合いの手を打つのではなく)オーケストラとアンサンブルをしている、という点で、モーツァルトのほかのピアノ協奏曲ともちょっと印象が違いますね。
第2楽章は、かなり憂鬱な曲想ですが、これがあるからこそ、1、3楽章がひきたつというもの。
第3楽章は、鍵盤の上を転がるような音型が続いて、とても軽快。その合間に優雅なメロディが流れます。


このあたりから、内輪で開くBGM的な協奏曲から、きちんとしたコンサート向けの曲に変わったとでもいうような感じがします。
現代のピアノで演奏されても、違和感がないですね。
モーツァルトは、ピアノという楽器の将来を見据えていたのでしょうか。