Dont' stop  - 1


今誰のこと考えてるの?
今まさに俺のものになろうとしてるのに。

扉を見つめて。
ねぇ、なんで泣いてるの?


「……やめようか」

「やめ…ないで」

そんな切そうにさ、笑みなんか浮かべちゃって。
俺に心ないって丸わかりじゃん。

でも、ミニョが言葉だけでもそういうなら、
俺はやめてあげない。


「好きだよ、ミニョ」

貫いた瞬間、ミニョもたしかに俺の名前を呼んだんだ。

「ジェルミ」って。




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今思えば、この日が何も疑わずに、
本当に幸せでいれた
最後の日だったのかもしれない。





「ミニョ?」

「ヒャッ、もぅ。びっくりしました」

キッチンでゆで卵を剥いていた時、
後ろから首筋をなで上げられて、
体がビクっと跳ね上がった。

あわてて振り返ると、手の甲を口に当てて、
クックックックと笑っている愛しい人。

笑いにあわせて、頭のてっぺんで結んでいる前髪が、
ピョンピョン揺れていて、私まで笑ってしまう。


「おはようございます。
 オフなんだからもう少し寝てればよかったのに」

「抱き枕が脱走したからな。捕縛しにきたんだ。
 枕がいないと眠れないだろ?」


チュって小さなキスが降ってきて、
そのままギュッと抱き寄せられた。

よかった。
今日も私のことを好きでいてくれてる。

ポスっとおでこを胸に押し当て、
柔らかで、大好きな匂いを吸い込んだ瞬間、
彼のシャープな顎が私の頭を攻撃してきた。


「もぅ、痛いです!」

「お前、生意気だな」

生意気???!!!

声はちょっとだけ不機嫌そうな上、
顎でグリグリっと頭のてっぺんを攻撃してくるのに、
手の平は私の背中を優しく撫でているから不思議。


「なんですか?痛いです!」

「お前、なんで今日は抱き返してこないんだ?」

「…今抱き返したら、卵ついちゃいますよ?」


右手には卵。左手には殻。
抱きついたら背中についちゃいます。

んっ?って言いながら離れた愛しい人は、
私の手からゆで卵を奪い取ると、
下手糞って笑っている。

もぅ。難しいんですよ?ゆで卵をきれいに剥くのって。
ぶーっと頬を膨らましてみせたら、
チュってキスで押しつぶされた。



「これは弁当用か?」

「はい。卵サンド用のゆで卵です。
 だからでこぼこでも大丈夫です!」

「くくくっ、なんでそんなに勝ち誇った顔してるんだ?
 立派な言い訳があって良かったな」

ヒョンニムは今日はオフだから、
昨晩から私のマンションに泊まりにきてくれている。

久しぶりに何も予定が入らなかったって言ってくれるけど、
絶対無理してお休みにしてくれたんだって、
もちろん知っている。

絶対絶対無理したはずだから、
凄く眠いはずなのに、
こうやってキッチンまで覗きに来てくれたことがうれしい。



「もう少し眠っていてください。
 お弁当ができて、朝食ができたら起こします」

「ふっ、だから抱き枕がいないと眠れないといっただろう。
 手伝ってやるからさっさと終わらせて枕に戻れ」

結局疲れてるはずなのに、
お弁当と朝食の準備を完璧に手伝ってくれて、
早速2人で朝食をとることにした。

意地悪ばっかりいうけど、
結局はとてもやさしいこの人が、
本当に大好き。

少しでも好きになってほしくって、
もっともっと好きになってほしくって、
1度注意されたことは、絶対守るように頑張っていたら、
ぎゅーーーって抱きしめられたことがある。

頑張ってる姿がうれしいって。

ついつい小言を言っちゃうけど、
どんな私でも好きなんだから、
無理はしなくていいって。

こんなにも人を愛おしいと思えるなんて、
知らなかった。


「ご馳走様でした。シャワーしてきてください。
 洗い物してしまいますから」

「駄目だ。洗い物も手伝ってやる。
 まだ枕の役割が終わってないだろ?」

ニヤリと口元を引き上げ、私より先に片づけを
始めてしまった彼の意図が、なんとなく判って、
自分でも顔が真っ赤になったのが判った。


「なんだ?何を期待してるんだ?」

「もぅ!」

クックックックっとまた意地悪な笑いを浮かべながら、
ほら、拭けと、差し出されたお皿。

こんな時間が本当に幸せで大好き。



「えぇぇぇ。ここでですか?」

「何がだ?何がここでなんだ?」

洗い物を終え、てっきりベッドに
連れて行かれるのかと思えば、
リビングのソファに座るように促され、
思わず口から飛び出た言葉。

あっ…私の勘違い?


顔から火が出そうなぐらいに恥ずかしくて、
思わず顔を背けたら、力強く腕を引かれ、
そのままスッポリと、座った彼のひざの間に収まった。


「期待しているところ悪いな。
 今日はピクニックな気分なんだろ?
 このままお前の期待通りになると、
 出かけられなくなりそうだからな。

 ………その代わり夜だ」


首元に押し当てられた口からつむがれた言葉は、
音だけでなく、熱までも伝わってきて、
心臓が飛び出してしまいそうなほど、
ドキドキとしてしまう。


「もぅ!何も期待なんてしてませんっ」


クックックという笑い声と、
小気味良い揺れが、
あんまりにも心地よくって、
少しでもこの人の体温を感じたいから、
完全に身をあずけ、ぴっとりともたれかかった。



……愛されるのは嫌いじゃない。
体だけじゃなくて、心も愛されてるのを感じるから。

前はこうやってひざに閉じ込められても、
緊張するだけだったんだけど…。

今だって緊張するし、ドキドキもするけど、
こうやって自分の身をしっかりとゆだねて、
甘えてもいいんだって思えるようになった。



今日でこの人と出会ってちょうど1年。


去年の今日。私は……コ・ミナムとして
この人に出会ってしまった。

「愛」は知っていたつもりだったけど、
私の知っている愛とは全然違っていて、
本当は2年の約束だったアフリカでのボランティアも、
離れていることに私が耐え切れず、
たったの半年で戻ってきてしまったから、
みんなに凄くあきれられられている。


『待っててくださいね?』

『待つのは苦手だ』


空港で言われた一言。
ヒョンニムは冗談だって言ったけど、
毎日毎日気がつけばこの言葉が頭を駆け巡ったて。

ヒョンニム、私のこと、まだ好きでいてくれますか?
待っててくださってますか?

小さな不安がどんどん大きくなってしまって、
気がつけば戻る手続きを進めてしまっていた。


空港まで迎えに来てくれていた彼が、
私の大好きな笑顔で、
『そんなに俺のことが好きなのか?』
って得意げに聞いてくるから、
素直に『誰よりも』と答えてみれば、
一瞬目を見開いた後、ギュッと抱きしめられた。

そして、その夜。
身も心も結ばれて、やっと本当の恋人になれた。

心のそこからほっとしたし、
もう2度と離れないって、神様にも誓いを立てた。


あまりにも忙しい人で、
週に1度、一瞬会えたらいい位で、
毎日毎日不安になる。


だからこうやって2人でいる時に、
彼に触れるとこう思わずにいられない。



よかった。今日も好きでいてくれた。

神様。どうか明日もこの人が
私のことを好きでいてくださいますように…。





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単発。連載。ごちゃまぜになりそうです(笑)
目標!毎日12時34分(笑)←なぞの連番。

大好きな書き手のお友達に相談した結果、この時間の更新になりました。

さーてと。明日もアップできるのかしらん?

いまさらですが。
完全ジェルミ派です。


「テギョン」さん。苦手です。
「シヌ」さん。時々ときめきます←。

てぎょんさんは不幸が似合うので、
ちょっと(?)いじめます。ごめんなさいねぇーふふ。


あ、でもいっておくことが。

ジェルミしばらく出てきません(爆笑)
しょうがないよね。現時点でテギョンと仲良しなんだもんorz

あー、てぎょんさん泣かせたい


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