書籍 「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」 著者:岡田 斗司夫氏 | “FINE DAYS”
決して働きたくない、等との思いで
手に取った本ではありません(念の為)

「なぜ こんなにも働く人(就活生も含む)が
疲れてしまうのだろうか」を

真剣に考察している本です。


著者の方は、
現在は 大阪芸術大学客員教授、
社会評論家 / FREEex 主宰者であられますが
もともとは アニメ制作会社 ガイナックスを
設立された方でもあります。

この手の考察本は
一貫して アカデミックな分野で過ごされている方の本よりも
著者の様に 資本主義社会で 大活躍され、
その後に 教鞭を取られた方の書籍の方が
親しみやすい様に 思われます。
(個人的な考えですけれども)



■ 単職から多職へ

企業の寿命、考えたことはありますか?
この本にて その下りが出てきた時、
私は 「ひと昔前は30年と聞いていたけど、今は10年位?」
深く考えずに ふっと思ったのは この年数でした。

2009年の 「日経ビジネス」でのデータでは
なんと日本企業で 7年だそうです。
(米国企業は 5年!!)


この数字を額面通りに読み取ると

1社での仕事(単職)では、
何度も食べることの危機に出くわす事を
意味しています。


また 【企業の成長】は
「大量消費 = 豊かさの象徴」
「生産すれば売れる(有形無形問わず)」
この消費者 ⇔ 生産者の関係が崩れた現在、
何もせず大きく躍進する事は
まず 有り得ません。

そして 高齢化社会(人口減)、
海外への外注(労働単価の大幅な下振れ)。。。


自分で 書いていて暗くなってしまうのですが


著者は この様な状況下で
何とかやっていく事の生きにくさを

人口爆縮 / 分業とコストダウンの副産物 / ITの台頭、そしてなくなった仕事 etc.
様々な切り口から 検証していきます。

進行方向は
つまるところ、所謂 1社への就職では
「かなりつらくなる」と言う方向です。



【では、著者の推す多職とは?】

「本業+副業」のことかな?と思ったのですが、
そうではなく
「お手伝い的な仕事を50個程」
これが著者の言う多職のイメージになります。


仮に その内いくつかが立ち行かなくなっても
残りで何とかなるだろう、との考え方。

しかも、次から次とお手伝いをしていく...
これが 「仕事サーフィン」の意だそうです。



でも、お手伝いってお金はどうなの?
(私は 普通にそう思いました)


ここで お金について問題提起があります。


【そんなに必要?】 との提起です。
曰く、
便利さの追及 / 煩わしさやストレスを解消する為に
使うお金がかなりあるはず。

そこを 減額すれば 普通に生きていける、
維持しようとするから (ex. 見栄の為の出費 etc.)
生活も仕事もつらくなってしまうのでは、との方向性です。


ふだん「モチベーションを維持」「スキルアップ」等の
観点の本ばかりを読んでいた自分にとっては

「あまり考えたことのない」考え方なのですが
たしかに言われてみればそうかも 、、
と思う節も多々あります。

お金を使うと言う行為は
単に 煩わしい事を解消しているだけの事もあれば
純粋に 生産効率を追い求めての出費もあります。
しかしながら その境目は曖昧で効果も計りにくい。

いずれにしろ、何かを求める為に
いくらかを出費すれば
またお金を補填しなければならない 。。。
(出費がかさむ ⇒ 補填のサイクルが完成してしまう)
確かに 指摘の通りでもあります。



他方で 50の仕事をこなすなんて事も
それはそれで 大変かな、、なんて思ってもみたり。

いずれにせよ、
お金にこだわる単職よりも
お金は少なくなるだろうけれども
多職が生きやすいだろう(細くも途切れる事なく)、と言うのが
著者の主張になります。



個人的な考え方ですが、
現在の日本では、ご自身で仕事をなさっている方等を除けば
なかなか就職せずに生きていく事は難しい様に思います。

だからこそ、この本の様に
「なぜそんなにも大変なのか」との
テーマ本が出てくるのでしょう。



程よく 肩の力を抜きつつも 頑張るしかない方々(私も含む)に
「異なる考え方の発見」との意で
手に取ってみても良いやもしれません。

「仮に、、 何かあってもどうにかなるだろう」と
すこし 気が紛れるかも、です。
無理せずに行きましょう。


* この本では「評価経済」との概念が出てきます。
昨今、貨幣経済と対比される事が多い様です。
露出も多い概念の様なので、興味のある方は
下記に FREEexの公式HPを訪ねてみて下さい。
書作者の方を東洋経済さんとのインタビュー記事になります。

【FREEex 公式HP / 評価経済に関するインタビュー】
http://blog.freeex.jp/archives/51322180.html

Ryo.K

【書籍名】
僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない / PHP新書
【著者 (敬称略)】
岡田 斗司夫