書籍 「身体を忘れた日本人」 著者:養老 孟子 & C・W ニコル | “FINE DAYS”
本屋さんで見つけたこの一冊。
本棚に差し込まれている状態で見付けたのですが

気になって手に取ってみると

黄色帯には
「都会の人は、弱い」との文字。

現代人の自然に触れる機会が 著しく減少した状態、
まさに 「不自然」 がもたらす
影響&未来への課題提起を
主題にしています。


著者(敬称略)は
■ 養老 孟子 (解剖学者 / 東京大学名誉教授)
□ C・W ニコル(作家 / 環境保護活動家 / 探検家)
の御二人。


養老先生は 有名な「昆虫マニア」でもあり
福島県須賀川市にある
「ムシテックワールド」の館長もなさっています。

ニコル先生は 経歴がすごいです。
もともと 英国 ウェールズ生まれ。

カナダ水産調査局主任技官、
エチオピア・シミエン山岳国立公園長などを歴任後、
長野県に移住(現在は帰化し、日本人)、
荒廃した里山を購入し 「アファンの森」を設立、
森の再生活動をなさっている方になります。

若い頃に 北極へ探検に行ったり(当時17歳!?)
エチオピアの無法地帯で 山賊に 襲われたり 。。
(国立公園になる位の自然地帯は 実質『無法』です。)



そんな経歴の著作者の二人、時折 編集者の方の
対話形式で 進行する本書は
下記トピックについて 話が進みます。


【第一章】 森と川と海のこと
【第二章】 食べること、住まうこと
【第三章】 子供たちと教育のこと
【第四章】 虫のこと、動物のこと
【第五章】 五感のこと、意識のこと
【第六章】 聞くこと、話すこと
【第七章】 これからの日本のこと


話が飛びますが、
自身の話を致しますと
私は東北地方の生まれ。

祖父母の家は 更に奥にあり、
言うなれば 「The 小さい子の夏休み」状態な
感じでした。

変な表現ですが
夏休みや連休に泊まりに行って

朝は 畑仕事を手伝って、
お昼に おにぎりを食べて
合間に 小川や水路をおよぐ小魚やザリガニにちょっかいを出し
(手伝いをさぼって怒られましたが)

収穫した野菜を井戸水で洗い
(ハンドルを上下にぎこぎこやって水が出てきます)
冷やして食べて

夕方は 納屋で遊んで
夜は 軽トラックの荷台で星を眺めて etc.

何となく思い浮かべて頂けると思いますが
そのイメージです。

ずいぶん、過去の話。

現代人が この様な状態に
遭遇することは 意図的を除いて
まずないと思います。



この本は
本来 その様な状態の中で
人間が時間を掛けて
『学ぶべきこと / 身に付けるべきこと』を、
(知識にとどまらず、感覚的なものまでを含めて)

形成することが出来ない、その環境にない
現代人への問題提起をしています。


特に、【教育の分野】では
この御二方の考えが 色濃く反映されている箇所が
読み取れます。

「ほったらかしが一番」
「ゲームより実体験」
「森で授業を」

これらは 納得出来る事ですが、
実際の生活に置き換えてみると
ほぼ ままならないことばかりです。


なかなかどおして 難しいですが、
80歳前後の方々が思うこと、
やはり後世への大切なメッセージだと思います。



面白味と言う観点から一言。
この本、この切り口が面白いです。

□ 日本人 & 英国人(今は帰化されています)
■ 解剖学者(理詰め・知識) & 探検家(知識もですが、生存本能に近い部分も)

色々なお仕事をされておられる方々ですが、
相反する部分も
持ち合せている方々でもあります。

(勿論、昆虫博士と環境活動家と言う重なる部分もあります)

その二人の掛け合いは軽妙で
また 本音の言い合いが かなり面白いです。


お仕事に関する ビジネス書ばかりで
疲れてしまっている方なんかに
さらりと読めて、
また 自然に触れたくなると言う意味で
おすすめします。

勿論、自然が好きな方、
今後の子育てについて
自然との関わり方を考えたいとの方にも。

【アファンの森 公式HP】
http://www.afan.or.jp/

【書籍名】
「身体」を忘れた日本人 JAPANESE, AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES
/ 山と渓谷社
【著者 (敬称略)】
養老 孟子
C・W ニコル