文藝春秋8月号に「黒田日銀総裁、あなたは間違っている」と言う記事が載っている。
日銀OBで現在京大教授の翁邦雄と言う人が、今の金融政策を批判している。この人は、昔、岩田規久男氏(現日銀副総裁)とマネーサプライを巡って論争した人。
この記事で、翁教授は、「日銀は現在、長期国債の保有残高を年間80兆円増やす大規模な買い入れを行なっています。その結果、緩和開始当時は130兆円程度だったマネタリーベースは4月末時点で300兆円を突破しました。ここで問題なのは、日銀がマネタリーベースを増やすことで物価が上がるべき理由はあるのか」といっている。
これに対して黒田総裁は、
「非伝統的金融政策の効果については、学界には引き続き懐疑的な見方も残っているようですが、少なくとも中央銀行の間では、現実に政策効果があったという共通理解が醸成されています。」
「バーナンキ前FRB議長が「量的緩和の問題点は、現実には効果が認められるのだけれども、理論的には効果が説明できないことである」と語ったことは良く知られていますが、まさに言い得て妙だと思います。」
「非伝統的金融政策について残されている謎は、効果があるかどうかではなく、なぜ効果があるのか、だと言えます。」
「ケネディ、ジョンソン両大統領のもとで経済顧問を務めたウォルター・ヘラー氏の言葉をご紹介したいと思います。「エコノミストとは、現実に何か効果のあるものをみつけると、それが理論的にも当てはまるかどうかを考えてしまうものである。」
(日銀HPより。黒田総裁「非伝統的金融政策の波及経路 ―理論と実践―」)
分かりやすく言えば、
教授「そんなことやっても、上手くいく理由がない」
総裁「理由があろうがなかろうが、現に上手くいっとるやないか」
ということだ。