5月21~22日の金融政策決定会合の議事要旨が公表になった。
それによると、「金融面での不均衡など中長期的なリスク」を心配する委員に、ある委員が「金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はない」と反論している。
分かりやすく言うと、「今のような政策を続けていると、バブルが起こるんじゃないか?」と心配する委員に対して、別の委員は「そんなこと心配する必要はない」と言い放っている。
人や組織は、ある失敗がトラウマになって、二度とその失敗を繰り返さないようにするものだ。それじゃ、日本銀行にとってのトラウマは何だろうか。
候補は二つある。候補Aは、バブルを作ってしまったこと、候補Bは、デフレからの脱却に失敗したこと。
Aは、「やるべき時に、やるべきことをやらなかった」
(バブルになりそうな時に金利を上げなかった)失敗、
Bは、「やるべきでなかった時にやってしまった」
(デフレの時に金融を引き締めてしまった)失敗。
前の白川総裁はA、今の黒田総裁はBがトラウマになっているようだ。
そこで思い出すのが、「たとえ十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜を罰するなかれ」という言葉。
今の政策は、「たとえバブルを作り出そうとも、まずは物価を2%上げる」と言うことなんだろう。
あちこちに真犯人(バブル)がうようよいる、なんてことにならないようにお気をつけ下さい。