第5話 転院 | 笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~

第5話 転院





転院に向けて私達が準備している間に

母の体は癌による痛みが出てきて

ついにモルヒネを使わないと痛みが取れなくなってきた。


モルヒネの量はまだ少量だったが

母の様子は明らかに以前とは違うものになってきた。

まず目つきが違う。

意識が朦朧とするせいか

うつろな目つきをするようになり

時々意味不明なことも口走るようになった。

モルヒネの知識は余りない私だが

そんなに早くからモルヒネの副作用が出ることには驚いた。



転院が間近になった頃に

母の一番近い姉と、すぐ下の妹がお見舞いに来てくれた。

母は10人兄弟で下から2番目。

兄弟達は殆ど北海道に住んでいて

そのおば達も北海道から来てくれた。

おば達が来た頃も、モルヒネの副作用で朦朧としていたが

まだ普通の話も出来る状態だった。





そしていよいよ転院の日。

私は自分の長男と妹の子供達を見ていたので

付き添うことは出来なかったが

母は妹と二人のおばに付き添われて

無事に転院先の病院に着いた。

転院先の病院では

これからまた検査が始まる。




検査検査の日々に母は弱音を吐くことなく

痛みや苦痛に耐えていたように思う。

そして腸の通過障害の処置として

鼻から管を入れる処置が行われたが

それだけは母がとても苦痛を訴えていた。



そんな日々の中

私の夫も自宅から来ていて

二人で母の所へ行った時

母の様子が明らかにおかしくなっていた・・・・






結晶*第6話へ