第3話  父と母 | 笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~

第3話  父と母




その日は久しぶりに私一人で病院に向かった。

先に母の病室へ行き

それから二人で父の病室へ行って

三人で病棟の談話室に行った。





両親の入院していた大学病院は

周りより少し高台にあり

入院している階も上の方だったので

談話室の窓から見える景色は壮観だった。

父のお見舞いに初めて来たときは

夜だったので夜景が綺麗だった。



「すごい綺麗だね!」

そう私が言うと


毎日見てると飽きる


そうボードに書いていた父だった。




談話室ではなにやら父と母は揉めていた。

どうも母の身辺整理に伴う手続きのことで

言い合い(もっとも父は筆談だが・・・)していた。



お互いに病気になり、母は幾ばくもない命の身であるのに

普段通り喧嘩ばかりの父と母。

こんな時くらい仲良く穏やかに話が出来ないのかと

半ば呆れて私は席を外した。



しばらく病院の外に行き一服して帰ってきた私は

遠くから父と母のいる席を眺めて愕然としてしまった。


二人とも入院着を着て

傍らには二人とも点滴台。

その姿を第三者のように遠くから見て

一体私達家族はこれからどうなってしまうのだろうと思った。

あそこに座っている二人が私の両親なんだ。

当たり前の事実を

突きつけられた気がした・・・・




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