第2話 遺書 | 笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~

第2話 遺書



告知を受けた母。

年は越せないかも知れないと言われて

自分の余命が2、3ヶ月しかないとわかった母は

同じ病院に入院している父とも色々話をしていたようで

ある日妹と私が病院に行ったら

父が私達二人を連れて

病棟内にある話し合いが出来る部屋に連れていかれた。

そしてホワイトボードに書き始めた。


お母さんは自分の余命を知って

色々と身辺整理をし始めようとしている。

本当はまだ見せるべきものではないのだけれど

お父さんに遺書も書いて渡してきた。

それをお前達にもみてもらいたい。



そして封書を私達に差し出した。


「本当に見てもいいの?」

「見ない方がいいんじゃない?」

そう私達は言ったが

父はいいから見なさいと書いて封書を開けた。










~お父さん。長い間ありがとう~

最初の一文・・・







それを見た妹と私は

堪え切れずに涙がこぼれた・・・・

そして今ではその一文しか覚えていない・・・





父も涙を流していた。




父の涙を見るなんて・・・



父が涙を見せるなんて・・・





なぜ遺書なんか書かなければならないのか

なぜこんな悲しい出来事が

私達家族に起こるのか

なぜ母が死ななければならないのか



夕暮れの部屋で

父と妹、そして私は

涙を流すことしか出来なかった・・・




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