第16話 母への告知Ⅲ
少し落ち着きを取り戻した母は
涙を拭っていつもの母に戻った。
先生からの病状の詳しい説明も
取り乱すことなく聞いていた。
そのうちベビーカーで眠っていた次男が
ぐずり出して泣き始めた。
抱き上げてあやしていると
母は次男を見ながら笑顔を見せた。
母はなんて強い人なんだろうと思った。
自分の余命を告げられたというのに
時間に限りがある命だって言われたのに
すぐに冷静さを取り戻せる母を
私は心底強いと思った。
主治医との話を終え
私たちは母の病室へ戻った。
その時母が次男に向かって言った。
「おばあちゃんの分まで生きてね」
その一言は今でも忘れられない・・・・
次男は今3歳。
母によく似た次男は
当然おばあちゃんの事は憶えていないけど
きっとココロの奥深くで
おばあちゃんの気持ちを受け止めていると
私は信じている。
第2章完結
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