この森にはたくさんの生き物がいる。
でも、私が普段見慣れているものとは少し違っていた。
不思議な色をしたシカや
電気を放っている虫、
何もないところから岩を出現させて攻撃してくる鳥などなど。
さっきカエルみたいなやつに泥水を頭からかけられそうになった。
あいつは泥水を吐けるみたい。
下手したらわたし死ぬかもしれない。
生身の人間じゃ 太刀打ちなんて到底むり。
どうしよう。
森を彷徨い歩いているうちに、
私よりも何倍も大きい熊に出くわした。
すごく大きな牙で
私なんてひと口で食べられちゃうくらいだった。
そいつが
ぐわっと口を開いたその瞬間、私はすべてを諦めて目をつぶった。
もうこれまでか と思った矢先、
今まで握りしめていたあの棒が
突然ぴかぴかと光り出した。
びっくりして目を開けると、棒の
先端から炎の玉が出現して真っ直ぐ熊に向かって飛んでいった。
じゅどーん。
気がつけば、
もう目の前には熊の姿はなかった。
どうやらさっきので怖がって逃げてくれたみたいだった。
はっと手元の棒を眺めると、
もうすこしも光ってはいなかった。
何をして、
この棒から火が出てきたんだろう。
あわててさっきまでの自分の行動を思い返す。
そして気付いた。
熊と出くわす前にしてたのと同じように、
棒を天に向かってルーンを描く。
ルーンは光り出し、
棒もそれに合わせて光を帯びていく。
一点に集中集中し、
そして前に放った。
目の前の木がぼろぼろに焼け落ちていく。
これだ、
このせいだ。
自分でもうまく説明できないが、
ルーンの形は頭からどんどん出てきた。
まるで毎日呼吸するように、
私がこれを書けるのは当たり前だった。
だけど、自分でも何のルーンだかわからないものは当然発動できなかった。
どこか口惜しいのと、
これで森の動物たちに対抗できる術を持った喜びで元気が出たのか、彼女はまた走り出す。
森の奥深くへと