競争戦略としてのグローバルルール 藤井俊彦 東洋経済新報社

国際間のルール作りの舞台裏、ルール作りにおける国同士の競争を、

経験豊富な著者が解説しています。

非常に面白い、あまり取り扱われていないテーマ、斬新な視点の本です。

現実的な日本人は、外国人の主張するルールを、自分たちの利益のためだろう、儲けている日本を狙い撃ちのルール改正だろう、という風に見がち。

しかし、外国、特に欧州あたりのルール作りの背景には、自らの利害もあるものの、それよりも強い信念に基づくものが多い。そうした点は、きちんと理解していないと、間違った対応をしてしまう・・・というような点が前半にあり、なるほど、と思いました。

かつてのスキー複合競技のスキー板の規制は日本人を狙い撃ちと日本では言われましたが、その後活躍した欧州選手は日本人より小柄だったとか。

最近の柔道ルール変更、これは日本人がすっかり弱くなった中の改定なので、日本人狙い撃ちというのではないですね。欧州の人たちなりに、柔道はかくあるべし、と考えた上でのルール変更なのでしょう。

その背景の考え方を理解して、将来のさらなる変更の方向性も予測して対応しないと、日本の柔道が世界標準からはどんどん異質なものになっていくのかも・・・・

そんな観点で考えさせられる本で、とても面白いですね。

最近、ちょっと仕事で、外国のルール、ビジネス習慣、物の考え方、に直面しており、は~、なるほど、と思うことが多くなっています。。。