・経営を将棋に例えると
・社外役員のガバナンス(社外役員の行動に関するガバナンス、の意です)
気になるテーマ2点ですが、いずれ。
最近話題になった、増資に関するインサイダー情報に基づく空売りの事件。
これについては、たまたま、対象となった増資をした企業の関係者、
空売りをしたファンドの関係者のお話を聞く機会がありました。
断片的なコメントですが、それぞれの考え方がちょっと、わかりました。
聞いた内容は、記載しませんが、考えさせられました。
最新のCFAマガジンに、アメリカの、似たような事例が載っていました。
今回は、他にもSRIファンドの不振、プライベート企業への投資など、興味深いトピックがありました。
まずは、増資に絡むお話し。
英国の会社株式を13%保有していた米国のヘッジファンド。
英国会社は大規模な増資を検討。
主幹事を通じて、大株主に意見を聞くため、守秘義務を結んでの面談を提案。
これを ”wall crossing", "wall crossed" baseなどと表現するそうです。
インサイダー情報であることを承知の上、検討している増資のアイデアを聞き、意見を述べる。その情報は、利用しない。そういう慣習のようです。
しかし、このファンドは、wall crossには同意しませんでした。
その上での面談なら了承、主幹事と会社は、それでも面談を実施。
財務改善の必要性をファンドに伝えたようです。
これを聞いたファンドは、13%のうち、数%を売却。その後、会社は大幅な増資を発表し、株価は下落。
結果的にファンドは、損失をいくらか回避できました。
これを受けて、英国の監督官庁が、ヘッジファンドに課徴金を課した。
ファンドは、増資情報は聞いていないと主張するものの、監督官庁は、聞いた内容から当然に、増資を推察できた、という見解、というお話です。
確定情報の授受の有無、断片的な情報の授受による推測、保有株の下落損失回避の行為、情報をもとに空売りから入る確信的な、インサイダー取引。色々あるでしょう。日本だけが、増資にからむ空売りに甘いと言われていますが、色々な市場において、大なり小なり、ある問題なのではないでしょうか。