先日のビジネス誌の特集で、日本企業の平均給与、というのがありました。

中小零細企業、はたまた最近では同じものを作っている中国・アジアの企業から見ると、大企業の平均給料はずいぶんと高いと感じるのではないでしょうか。大企業の平均給料は、中小企業やアジアの企業では立派な幹部・役員クラス。製品が同じなら、それだけの人件費を固定的に負担している日本企業の価格競争力は低い、あるいは同等の価格で売った時に残る利益率は圧倒的に低い、となります。実際にそうなっています。

そうかと言って、なかなか日本国内の既存従業員の給料を下げられないし、新たに採用する人の給料を他社に率先して下げては、いい人が取れません。

そうすると、どうしても海外に拠点を移して、そこで人を雇うことになっていくのだろうと思います。

多くの日本人は、安心して、安定して暮らせる日本に住んで仕事する代わりに、今より下がっていく給料を受け入れざるをえないのかもしれません。


さて、そのビジネス誌の特集。ちょこちょこ目に付く異常値があります。業界で飛びぬけて高い平均給料の企業。良く見れば、従業員数が少なく、年齢も高い。純粋持ち株会社にして上場している会社が、実質より高く出てしまいます。管理、システムなどの業務は、さらに専門会社を作って移しているような会社は、本社には役員、監査役室、内部監査室、企画などの人しかいないことになり、さらに高く出てしまいます。

先日、伺ったある会社のお話では、前期は組織再編で高給の従業員役員2名しかいない状態で開示され、業績が低下しているのに、業界最高給与と言われて非難された。今年は普通の従業員をいっぱい移しました、とのことでした。

丁寧に見ていけばわかることかもしれませんが、何となく金額だけが、インパクトをもって一人歩きする、というのはあるようです。