この2週間ほどで、上場会社のコーポレートガバナンスに関する、異なる立場の方のご意見を伺う機会がございました。


CFA協会として某取引所の方を訪問した際、取引所の方は「今は独立取締役の任命をいかに上場ルールに織り込むかが一番の課題です!」と 言っておられました。


CFA協会での、機関投資家と思われるメンバー主体での 小規模なグループディスカッションにおいては、「上場事業会社の株式持合いが何と言っても、けしからん」という主張がありました。それに対しては、「100%悪いとはいえない。認められるケースもある。あるいは業績がいいので、少しくらいやってもも気にしなくていい企業もある。業績が悪いのに持ち合いが多い企業はだめだ。」などなど。 持ち合い株式の変動による企業の資産価値の動きは、PLに十分出ず、外から企業の本当の価値が見えないのが、批判の大きな理由でした。

みんなで行動して、企業や色々なところに働きかけて、持ち合いを規制するルールを導入させよう! と気勢を上げました。(ちょっと弱かったけど)。 株主(プロも個人も)は経営者に手紙を書こう。いい経営者は、手紙でいっぱい ほめ称えよう。 批判はあまり聞いてもらえないけど、ほめられると聞くものだ、という人間心理に即した作戦を提唱する人もおりました。 公開会社法を準備する民主党の人たちに働きかけよう、という意見も。

面白い会合でした。


これをネタにしたところ、、「いやいや、喫緊の課題は親子上場です!」 とメールで教えていただいたのは、ガバナンスの大家 兼 ミュージシャンの Fさん。 「持ち合い批判への経営者の反発は すごく強いです」 という生々しいご意見でした。


こういうお話を聞いて、少し昔を思い出しました。事業会社の財務部に勤務のおり。

某銀行の破綻を受けて、結局、簿価数十億円の保有株が紙切れに。一方で、株式保有をたてに、保険シェアアップを迫る巨大生保、恐怖のと特殊株主。 日本特有の歴史、文化、経済構造があり、確かに完全な解消は難しいテーマです。日本では金融機関では、銀行、保険、証券が強く、運用会社の存在感は相対的に小さく、投資家の声はなかなか 伝わらないようです。


そんな中でも、IFRSの導入で、包括利益においては、持ち合い保有株の変動損益も明らかになる。これが持ち合い解消を促進か!?という期待の声もあります。


来週は IASBボードの方の講演会です。 どのようなお話が出ますか。期待大です。