昨日は、以前にお世話になった方がREITの役員に転進されており、営業+情報交換+久しぶりに飲みながらお話しましょう!、ということでお尋ねしました。
不動産市場の低迷を受けて、REITの新規上場はストップしたまま。既存REITも公募増資はずっと止まっています。そして、中下位のREITは今年償還を迎える投資法人債の償還資金の手当てに苦慮しているそうです。公募×、新規社債発行も難しく、銀行からの償還資金目的の新規融資も厳しい、という状況。そこで政府、金融業界拠出の資金で、REITに資金提供するファンド創設の構想があり、協議が進んでいるそうです。お尋ねしたREITは健全な財務体質で、前向きな投資の余力があるということでした。ただ、この時期REIT全体の低い評価で、投資口価格は純資産を大きく下回り、公募はできず、成長投資ができない、という課題を抱えているそうです。
また、三井、三菱、野村、森などの不動産大手系は単独スポンサーですが、中堅以下は、金融機関と中堅不動産などのJVのREITがかなり、あります。こちらのREITもそのひとつですが、その場合、運用会社においては、各スポンサーからの出向された方が運用業務をしているケースがある。そうすると、いい面、ちょっと問題、とそれぞれあるそうです。
日本では、生保系投資顧問会社などでも、親会社からの天下り経営者、出向ファンドマネージャー、というケースが見られます。 運用のプロの仕事であるべきところ、そうした経営体制はどうなのか? と外国人投資家からは厳しい見方もあるようです。
REIT全体の価格が低迷しているせいで、財務体質のよいREITでも利回りは5%超。非常に魅力的な投資先であると思います。 一時期不動産バブルに乗って、やや安易に十分な体力のないREITの上場など行きすぎもあったと思います。しかし、長期的にはREITも 必要な機能、必要な投資商品と思います。
年金運用実績低迷、という中で、REIT、PEなど、オルタナティブ投資についても、適当な比率を決めて、しっかり選別した上で投資対象としていくことが必要。残念ながら、不動産バブル、ファンドバブル崩壊で、REIT=不動産=あぶない、PE=ファンド=あやしい、ということで投資が進まない状況です。
これを変えていく、関係者一同の皆様の取り組みに期待いたします。
ということで、近々、REITの業界団体、不動産証券化協会をお尋ねする予定です。