ずっと昔、大学で貿易論を学びました。貿易論でも経済学でも 必ず出てくる比較優位の考え方。先週の排出権セミナーで久しぶりにこの言葉を聞きました。
ウィキペディアから
比較優位(ひかくゆうい、comparative advantage)とは自由貿易 に関して生まれた考え方で、経済学者デヴィッド・リカード が提唱した。
比較優位を持つ(相手より機会費用 の少ない)財の生産を特化し、他の財は(自由)貿易を通じて輸入することで、それぞれより多くの財を消費できるという国際分業の利益を説明する理論。比較生産費説。
(以下続く)
排出家は1990年時の排出権から6%削減した量を目標として各国に課して、それ以下に削減した国は、それを外国に売れる。目標まで削減できない国は、よその国から排出権を買う、というものです。
排出量を1単位減らすコストと市場/相対取引を通じて外国から1単位買うコスト、これを比較して買うほうが安い国は買えばいい。1単位減らすコストが安い国は自国目標を達成しても、さらにドンドン削減して、余剰の排出権を他の国に売ればよい。それで地球全体では、排出量が6%減、あるいはもっと減るという経済の仕組が排出権取引である。なるほど、なるほど比較優位かと感じた次第です。
しかし、自分で減らすより買うほうがコストは安い。だから削減努力はしないで、どんどんガスを排出してモノを作って輸出で儲けて、それで排出権を買えばいいのだ! という国があるとしたら、そんな国の環境は酷いことになってしまい、誰も住みたくないですね。
日本は排出権を買う国のほうですが、自分たちの排出を減らす努力も進めねばなりません。