「ヘッジホッグ」(バートン・ビックス、日本経済新聞出版社)をようやく読み終わりました。

著者はモルガン・スタンレー・アセット・マネジメントを30年間経営後、ヘッジファンドを設立した人で、米国の投資業界の色々な人物についての記述を通して、投資・投資家の行動・考え方などを紹介しています。とても面白い本です。


ヘッジファンドの記述以外でも印象に残ることが色々あります。

バブルにも色々ある。銀行融資を糧に膨らんだバブルはひどい結末になる。株、債券を糧にしたものは、まだまし。これは納得です。

日本の90年代、そして今回の不動産バブル。アメリカの住宅バブル。いずれも銀行融資が背景なので酷いことになりました。しかしITバブルは 株と債券に依存し、銀行を巻き込まなかったので、はじけても悪影響が比較的軽かった。この本、英語原書は2005年に書かれています。住宅バブルを危惧する記述もありました。


他には、最後のほうで、ケインズを紹介しています。これも全体とは違った意味で面白い章です。ここは他の経済学者が書いたケインズの伝記の内容の紹介が中心です。 ケインズ。世界中で政府景気対策が進んでいる中で、最近よく聞くようになっています。 経済学者、「雇用、利子、および貨幣の一般理論」、株式市場は美人投票と言った人、そんな程度の認識しかありませんでした。しかし、この紹介を読むと、ケインズは投資家、ヘッジファンドマネージャーであった! さらに、その人生、ライフスタイルは 驚くべき・・・・・

伝記の訳もきっとあるでしょうが、1600ページあるそうです。それよりは、まず、上記の本(約400ページ)の1章23ページを読むだけでも面白いですよ。