昨夜、CFA協会にて排出権をテーマに、三菱UFJ証券クリーン・エネルギー・ファイナンス委員会の渡邉委員長をスピーカーに迎えまして、開催しました。 質問も多く、非常に盛り上がったセミナーでありました。 排出権の言葉はよく聞くものの、いまいち中身はわからん、というものが、ややクリアになりました。


さて、最近研究中のDR 預託証券について。

ちょうど今朝の新聞にも、TDKがコスト削減のため、ADR(米国預託証券)のニューヨーク上場を廃止して、OTCにするという記事がありました。

先日、預託銀行で頂いた資料によれば、3/25時点で、NY取引所への日本企業のADR上場は18社、NASDAQは6社、OTCは37社となっています。 このうちのTDKが 上場からOTCに移るわけです。

これらは企業が自発的にやっているスポンサーつきADR。

これ以外に、投資家のニーズがあるから、ということで預託銀行が 会社と関係なくやっているスポンサーなしが、214社あります。

合計で270社ほどの日本企業株対象のADRが米国では取引されています。

TDKの場合、年間の世界での取引高の2%が NY市場でADRにより取引されているそうです。

これが東京に比べて少ないので、上場は廃止、OTCで十分となりました。

2%が小さいか、大きいか。NY上場でなく、OTCでも、さほど変わらないのか。 どうなんでしょう。

米国の大機関投資家は、ADRでなくても、東京市場(その他世界の地元市場で) で売買できる体制にあります。しかし、すごくたくさん存在する、中小機関投資家は ADRでないと TDKを売買できない。

こうした中小クラスの機関投資家層のニーズがADRの活発な取引、厚みを形成しているようです。


一方で、日本に上場する海外株、(それにJDRができても)、これを売買したいという、中堅規模の機関投資家層の不在が、日本での海外株の閑散の 理由の一つのようです。


それでは、香港市場ではどうなのか? 続く。