吉野家はどんの株式34%を保有し関連会社としていました。2月に第三者割当増資を1株100円で引受けていました。その時点の株価(12月の発表日時点の過去3ヶ月平均)は470円でした。有利発行なので総会決議を経ての増資でした。増資前時点で債務超過状態で、増資により債務超過を解消。
そして今回、TOBで51%まで買い増し、子会社化します。ただし51%で留めるので上場は維持の予定。
7・18発表でしたが、最近の1ヶ月の平均株価は415円、3ヶ月403円。TOB価格は400円で、若干のディスカウントです。通常ならばプレミアムのつけてとなりますが、どんは極端な過小資本会社。むしろ株価がやけに高い印象です。売上は最近数年間300億円前後。しかし経常利益は数億円の赤字続き。BPSは11円程度。それで株価はずっと400円台です。時価総額は何と170億円、このご時世ではやけに高いと感じます。吉野家としては400円でも高い、こんなに払いたくない、というのが本音かもしれません。 M&Aのアドバイザーは野村証券、ここは業界でも市場主義・株価主義という評判だそうで、不可思議とはいえ、この株価から極端に離れたTOBは勧めなかったのかもしれません。
今回は株価以外の評価方法で400円をフェアバリューとするのには苦労したはず。そして今後、実際の成果を出して400円の投資を正当化する吉野家の腕の見せ所です。