日本ハウズイングの買収防衛策導入は否決されたものの、原弘産の求めた取締役の選任議案は否決、また原弘産に対する買収防衛策の発動に関する議案単独では原弘産側の負け(この議案そのものは無効ということですが)、ということで結局TOBはしないと原弘産が発表しました。
最初のロイターの記事は間違っていた、ということでロイターからは訂正が出ています。私も間違っておりました。すみません。
TOB価格は1000円でしたが、今日のハウズイングの株価は60円下げて890円で引け。株価は一次1000円を超え、その後も900円台で推移。しかし総会の結果を受けてでしょうか、今日は下げ。来週もまだ下がるのかもしれません。 高い株価の間に売却した株主もいたことでしょう。 そうすると総会の議決権行使時点では、もう株は持っていないので興味もない、という株主も多かったかもしれません。あるいは下がったらまた買い戻すという投資行動もあるかもしれません。
TOBに反対した経営陣が、中期計画を実行して株価を1000円以上に持っていけるのか。
今期は防衛策関連の法務費用など6億円!で減益かもしれません。
経営陣にとって敵対的な買収に応戦した結果、株価を下げて、短期的には株主に損失を与えたようにも見える経営陣。 テーオーシー、北越製紙、ブルドック、日本ハウズイング。 判断にはある程度の時間的猶予も必要ですが、このまま低迷して経営陣が 強く批判される状況にでもなれば 買収を仕掛けられたときの会社の対応も変わるのかもしれません。
ただ買収を仕掛ける企業側も 本当に長期的に価値を高めることができるのかどうかもわかりません。
株主が、短期的な自分の利益だけを考えるなら売却ですが、株主としても良い企業を長期で支援するのが責任だと考えて判断するなら、目先の高いTOB価格を諦めて、経営者支持という選択もありでしょう。
ただ、法務コストをお互いにかけて争うのは、お互いに損。 今回もハウズイングだけでなく、原弘産も相当のエネルギーとコストをかけています。
法務面や証券アドバイザーによる市場対策、メディア対策にやたらコストをかけず、経営者とそれを支える両者の経営企画スタッフや役員を交え、直接の討論、中期計画と人間性のぶつけ合いを、株主が公平に機会を与えられて聞いて判断する。 そんな形の展開が行われればいいのですが。