商事法務1827(3/15)
株主総会に向けて定款変更のポイントを説明しています。
中で剰余金配当等の取締役会授権の部分に注目。
取締役任期を1年にするなどの条件により、配当を取締役会で決めることができます。
そのために定款変更が必要ですが、以下の二つのパターンの定款があるようです。
①「株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める」 = 総会では決められない
②「株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることができる」 =総会でも決められる
この違いは大きい。
アクティブな株主が増えており、今年の総会に向けても株主提案がいろいろ出てきそうですが、そこで一番多いと予想されるのは増配提案。 しかし!!①の場合は株主提案自体が不適法、不可能となります。=召集通知に記載するまでもなく、自動的に排除。
(株主としては定款変更とセットで提出する、という対応はあるようです。それでも定款変更可決後に増配の株主提案が議案となるのは次回総会!)。
企業の総会担当者としては、株主構成的に株主提案があっても否決は固い。ただし提案があると招集通知には記載して、採決しないといけないので手間が増えます。 定款が①だと、大助かりでしょうが・・・
①の導入には付帯条件もあり、取締役にも厳しい姿勢が求められます。定款に組み込む際には、株主の激しい反対もあるでしょう。しかし株主構成次第で可決は心配ない会社も多い。そうすると、将来の株主提案の芽を摘むため、この定款変更をする会社も多いかもしれません。