NHKラジオ・ビジネス英会話から。講師の杉田氏は上場会社のプラップジャパンの代表取締役に就任されたので講師も終わりかと思いましたが、来年度も継続のようです。リスナーとしては安心。しかしまずは経営第一でお願いいたします。

さておき、今週のトピックは米国の寄付関連ビジネスの話です。富裕層が生前に自分の資産を慈善団体、大学、NPOなどに寄付し、その運用と成果を自分の生きている間にしっかり見続ける。そんなトレンドが大きくなっているそうです。ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットなどの巨額の寄付が話題になりましたね。そうした寄付行為をサポートするコンサルティング、例えば寄付先の団体の審査、運用監視などをするようですが、そうしたビジネスが伸びているようです。さすが寄付大国の米国ですが、日本も格差社会・富裕層が増えているだけに、こうしたビジネスはいずれ伸びていくでしょう。

お金・資産があれば、社会的な意義のあるものに寄付したい、あるいは資産の拠出までいかずとも、投資運用益の一部を提供したいというのは、名声、自己満足、達成感、慈善の心等、動機はいろいろでしょうが、人間のかなり本質的な欲求であろうと思います。

クレジットカードで利用額の一部が寄付されるとか、株主優待として利用額の一部が寄付されるクオカードとか、SRIファンドとか、いろいろな取組が既に出てきています。最近話題のイスラム金融も、利用するアラブの金融機関や投資家は、運用資金の大半は通常の投資に回しているものの、一部をイスラム金融に回すことで、社会責任を果てしていると言える、ということで伸びているようです。この人間の寄付したい心を満たす金融商品を開発することで、投資を刺激することはできそうです。

個人的には高校・大学の運動部からの毎年の会費・寄付・協賛金に対し、あまり快く応じていないことに、なんとなくの罪悪感を持っていたりします。将来、もし大富豪になればたくさん寄付したいとは思いますが、今は所得に見合った会費だけで勘弁してほしいというのが正直なところです。ただ投資利益(利益がでれば、ですが)の一部を寄付に回す大学クラブ寄付投資信託、みたいな商品があれば購入してもいいかなと思います。個人個人の寄付ニーズを満たす細かい、プチ信託商品がいずれ開発されていくのではないでしょうか。