ここ数日で注目のファイナンス案件が数件ありました。

ダヴィンチ・アドバイザース  上場以来、エクイティ・ファイナンスは初めてではないでしょうか?

MSワラントをBNPグループに割当。行使した場合の調達額は249.5億円です。同時に同額の借入枠を設定しています。こちらは金利1ヶ月LIBORフラットなので有利な条件だと思います。

行使開始は6ヵ月後の今年9月、12月までの当初9ヶ月間の行使価格は170,000円、12月で時価の94%に修正され、その後毎月修正します。修正価格の下限は12月で修正した価格の65%。2/28の終値は99,900円。過去最高は2006年1月に212,000円でした。

現在の不動産新興企業で業績堅調な会社は、他社の投げ出す資産の絶好の買い時で資金があればどんどん買いたい。でも今の株価ではファイナンスなんかしたくない!の心境。行使価格を高~く設定した、こうしたファイナンスならば・・と考える先は多いでしょう。 ダヴィンチは上場以来、分割以外で株数を増やすことはありませんでした。世の批判もあるMSワラントを使ってでも資金を調達するべき、チャンス!の思いが強いのでしょう。 これから12月まででどれだけ、調達資金を使って投資できるか???  注目。


ヤマダ電機

ユーロ円CBを2本発行。満期5年で600億円、転換価格アップ率50%。満期7年で700億円、同46%です。ともにゼロクーポンです。最近日本企業のCB発行が少なく、需要が強かったのかもしれませんが、良い条件です。野村主幹事で欧州の投資家へ販売。同時に700億円上限の自社株買いを実施。


JFEホールディングス。

新株予約権付き転換社債、3000億円を発行!メガバンク3行への割当。1200億円は自社株買いにあてる。

期間5年、金利1.853%。 現在の5年スワップ金利は1.4%程度。 上乗せが0.45%。

転換価額は8,530円。2/28終値4,730円に対して80%アップ。すべて転換されると株数6%増加。

さらにこの社債は償還時点で期間55年の劣後債に転換できるとなっています!金利は6ヶ月LIBOR+1.65%!

買収防衛策的な効果もありの新聞コメントあり。 これだけの色々な要素を考慮して、有利なファイナンスと判断したのでしょう。

先に三井住友系の企業でも同様のファイナンスがありました。メガバンクは、外資系金融機関や日系証券に対抗する手段として、こうしたファイナンスを積極的に大手企業には提案しているのでしょう。 さすがにこんなスキームの商品の引受は他ではできなさそうです。 対して東証からは第三者割当であり、既存株主の利益を損なう可能性があれば厳しく望むとコメントが出ました。 証券業界や外資から見れば、クレームをいいたくなるでしょう。 純粋に投資家の観点からすると・・・・やっぱりネガティブでしょう。