夕方、東京国際フォーラムで開催の不動産ファイナンスフェアの講演会を聞きに行きました。
金曜日にも野村資産管理フェアで同じ場所に。平日のイベントには人気の場所のようです。
本日のフェアは日経新聞と不動産証券化協会の主催。2~3年前に日経新聞グループの広告企画・営業の方と、不動産証券化協会を尋ねて、REITのIR企画を考えましょうとご提案したことがありました。当時はほっといても売れる!という状況で広告企画はまだいいかな、という感じでありました。
本日は早稲田大学の森平教授によるサブプライムローンの話。
信用リスク研究が専門ということで、なかなか面白いお話でした。
ローンの値付け
与信額×デフォルト率(デフォルト発生の確率)×デフォルトによる損害率(デフォルト案件から担保処理で元本の何%を回収できるか) = 最低要求する金利 となるが、ローンの受け手のデフォルト相関も 重要である。
サブプライムローンは、人種(マイノリティ)、地域(マイノリティの多い地域、大都市、ダウンタウン周辺)、経済層(低所得者層)に多く提供された点で、デフォルト相関が過去の短い実績から推定されたものより、実は何倍も高かった。ローン対象が何千、何万件もあってリスク分散されているように見えるが、デフォルトが起こるときは、まとまって起こる!そういうものである。
しかし、魅力的な投資対象とするために、デフォルト相関を 低めに見て甘い格付けがされたのではないか?
サブプライムローンの影響は経済問題に留まらないで、深刻な社会問題になる。
差し押さえで家を失うのは最低150万件、150万世帯。もともと低所得者層。 差し押さえ案件続出で空き屋になっても売れない物件増加。 これらは犯罪など社会問題悪化につながる。 そういうお話でした。
金融商品の値付け、格付けは、確かに立派な理屈があっても、誰でも得られるフェアバリューガない変数部分をちょいといじると全然結果が違います。 そういう話は いろいろありそうです。