グッドウィルより8/17に、コムスンの事業移行にかかる第三者委員会の審議内容、というものが発表されています。
在宅系サービス(訪問介護)は675件(252事業者)の応募。居住系は52件(52事業者)の応募。居住系は不動産を取得するので、規模の大きい業者に限定されます。コムスンの居住系事業では、高級老人ホームのバーリントンハウスなど、大規模不動産物件もあり、一括での引受業者がいるのかどうか、見もの。引き受けにあたっては、外資系証券や不動産会社と組んで、取得後の証券化スキームを用意できたような先が勝つのではないでしょうか。
有料老人ホーム事業の将来については、以下のサイトの資料を読むと非常に勉強になりますので、興味のある方はどうぞ。著者の滝上さんはグリーン東京という有料老人ホームのオーナー経営者でしたが、残念ながら亡くなられたそうです。この施設はその後、㈱ゼクス(東証1部8913)が買収して運営しています。
有料老人ホームは入居一時金を取るのが一般的です。ただし低価格の介護型はメッセージ筆頭に入居一時金なしに移行しています。ただし健常者対象の住宅型では、建設コスト回収のために、多額の入居一時金を取る方式が依然として主流です。この一時金の償却は現在10~20年程度ですが、これをもっと長期で行うべし。入居時の頭取りは小さくすべし。というのが滝上氏の主張。
また老人ホームは終身利用権という、性格のはっきりしない権利を提供し、介護が必要になると狭い介護専用居室へ移されるケースが多い。しかし、これは本来、不動産の賃借権であり、移すにしても同じだけの居住スペースを提供しないやり方はいずれ違法とされるようになる、と予見しています。これらはいずれも、事業者とすれば収益悪化の要因です。しかし読んで見るとなかなか説得力があります。
施設介護への介護保険給付の下げも予想され、施設(居住系)事業者の収益は今後厳しくなるものと思います。
介護保険依存度が低く、入居一時金の償却期間をあらかじめ長くしているところ、介護が必要になった場合でも狭い居室への移動などをしないシステムを確立している業者は、今後優位性を強めるものと思います。
前述のゼクスの施設はそうした条件を満たしているようです。実際の施設に興味のあるかたは、こちらの見学などもいいかもしれません。
http://www.green-tokyo.com/abstract/book02.html