テーオーシー取締役会が、ダヴィンチによるTOBへの反対を表明。ダヴィンチの法令遵守体制に重大な懸念があり、こんな会社が親会社になったら、ダヴィンチ以外の株主に損害が及ぶ可能性ありとのこと。

予想された展開で、一応そうした主張もわからんではない。

しかし、しかし、です。テーオーシーの取締役会は、オーナー社長一族によるMBO提案(1株800円での100%買取、非上場化)に賛成しています。会社の価値は800円だと認めたわけです。それを1100円と評価して買ってくれるという提案が、既存株主のためでないという主張は理屈が通りません。少なくとも株主にとってはダヴィの提案がよい。


テーオーシーが社会的に価値ある文化遺産でも保有していて、ダヴィの子会社になるとこれが毀損され、社会にとっての損失だ~、とか言うのならわかりますが、西五反田TOCビルが切り売りされても、誰も困りません。そこに原発でも建てるというはずもなく、再開発できれいなオフィス・商業ビルになるなら周辺の方々も歓迎するでしょう。


テーオーシーの従業員の皆さんにとってどうなるかはわかりません。適当に仕事して、そこそこ給料もらっていたいと思う人には厳しいかも。しかしばりばりと不動産ビジネスをやりたい!という人にはチャンス拡大かもしれません。


そうすると、これはもう取締役の保身だけのような気がします。あるいは既存オーナーへの忠誠。会社の歴史等踏まえ、これはこれで事情・心情はわかります。しかし、全株主のために利益にならないという主張は、どうみても説得力なし。

この上は、TOBを受入いれるか、オーナーまたは第三者のホワイトナイトが高値で対抗TOBをする以外に選択はなさそうですが。