テーオーシーのMBOのためのTOBは不成立。MBOの不成立は異例とのこと。
いちごAMによる委任状争奪戦と会社同士合意のM&Aの否決が、日本初の異例の出来事といわれました。それに続く、エポックメーキングなことでしょうか。 こちらは時間がかかるでしょうが、レインズのMBOに対する個人株主の訴訟の行方も注目。
テーオーシーは、ダヴィンチのガバナンス体制について再質問するとともに、みなとみらいの開発計画のためにエクイティファイナンスを検討と発表。ダヴィンチ持分希薄化のためとホワイトナイト的な株主作りの意図もあるように思います。これに対してダヴィンチは増資には差し止め請求をすると言っています。
ただ、今回は明確な資金使途があります。この点で過去の事例とは異なる。
増資自体に正当性がある場合に、全株主に均等に投資機会を与えるべきか? 第三者割当では確かに既存株主持分は希薄化します。それでも事業拡大で、その分EPSが増えるなら・・・
これが裁判所に行くと、この判断は非常に難しいものになると思います。
テーオーシーの再質問や、TBSの楽天への質問も、ダヴィンチや楽天など新興勢力のガバナンス体制を問うもの。
これらにはいくら文書できちんとやっていますと回答しても、それが十分かどうかは永遠に答えは出ないように思います。よほどのスキャンダルでも出ない限りは・・・
最近アメリカでは、M&Aの相手方の情報を探る、CIA出身者によるサービスが伸びているとのこと。相手のあらゆる弱みを探り、交渉や世論作りに利用するようです。このサービスの需要は確かにこんな世の中では伸びそうです。そうすると経営者も安心して遊んでいられませんね。