五反田のTOCビル(昔、アルバイトしたことがあります)などを保有する㈱テーオーシー。ホテルニューオータニのオーナー一族で経営する会社です。ここにダヴィンチが敵対的なTOBをすることを発表しました。


元はといえば、1/23付けでダヴィンチの子会社による大量保有報告が出たことが発端。そのご10%まで買いまして来ています。

老朽化したTOCビルなどの立替で含み益発現を狙った取得だったようです。これを嫌ったオーナー経営者サイドが、TOBによるMBO,非上場化を4/6に発表し、会社は賛同していました。

これに対してのダヴィンチの対抗TOBの発表となりました。

オーナー側のTOB価格は800円。過去6ヶ月の株価に22%のプレミアム。

一方ダヴィンチ側は1100円。

予想EPSは18円

BPSは450円

株価は現在883円(ざっとPER50倍)

オーナー側TOB価格も低くないように見えますが、不動産の含み資産が十分反映されていない、というダヴィンチの判断。確かにオーナーサイドのTOB価格算定の説明では、それはあまり入っていなさそうです。

この点では一般株主の利益を考えればダヴィンチのほうを応援するべきかもしれません。ただ会社そのものの品格とかは別ですが。


オーナー一族はニューオータニの経営者。日本社会の上流の人たちでしょう。中国政府とも親密。色々なところからの支援、ダヴィンチへの圧力もあるかも。この件の進展は興味深い。

オーナーサイドとテーオーシーのリリースでは、アドバイザーの名前がありません。これからどこか登場してくるのでしょう。株主からするとみずほ証券か?


この間、フィデリティ投信がテーオーシーの株を買いましています。4/6のリリース後、株価がTOB価格からさらに上がっていたことから、こうした対抗TOBはある程度予想されていたことなのでしょう。 新聞を読んで、鋭く推理をしていけば儲ける機会はあるもんです。 業績予想のアナリストレポートより、M&Aの解説レポートのほうが価値が高そうですね。