2004年の新興企業L社のIPO時に会社の要望を入れて不当に高い公募価格を設定し、投資家に損失を与えたとのこと。
新聞で名前の出ている会社は2004年10月末のIPOでした。当時の05/3期予想が経常利益114百万円、当期純利益62百万円。これに対してPER77の公募価格11万円・時価総額47億円を設定。これが理論価格の1.8倍だったそうなので、PER42倍が妥当であったはず。
さらにIPO直後の11月発表の中間決算は経常利益9百万円、純利益0. 減収、純利益は減益。 結局05/3通期は経常利益△36、純利益△110の大幅下方修正。
IPO時点で当期の業績達成が難しいことが十分予想される中で、ほんとに会社が時価総額100億円が妥当と主張したのか?証券は業況を知りながら、それでも高すぎる上記の公募価格を設定したのか?
信じられないような話ですが、ほんとにあったことなのでしょう。
エイチ・エス証券も L社経営陣も 責任は重い。
当時はIPOバブルの中。上場すればなんとかなるという根拠のない期待、審査に出した予想数字は、途中で簡単には変えられない、などなどの思いで、当事者も怖いと思いながらも進んでしまった、ということもあるのでしょう。
事実を受け止め、経験と知恵に基づく鋭い勘を働かせ、進む・とまる・退くを 適切に行うという経営は 実践するのは本当に大変。それができないのに上場してしまう・あるいはずっとしている会社が たくさん あるようです。