マキタが富士ロビン(富士重工子会社)にTOB。価格は過去3ヶ月の平均株価の30%プレミアム。
大企業の上場子会社で親とのシナジーが少ない先については、今後もこうしたことが頻発しそうです。
大企業では古くからの上場子会社でシナジーのない先、業績を伸ばしてIPOさせようと思っていたが親子上場が厳しくなって難しくなった子会社、M&Aで子会社化したものの思惑はずれだった会社、などを手放したいというニーズが高まっているようです。欲しいというストラテジックバイヤーがいれば、対象が上場している場合TOB、非公開の場合相対で譲渡、となります。しかし相手は見つかっていないが、早く手放したいという売り需要も強いようで、バイアウトファンドの活躍機会が広まっているようです。こうしたファンドにはまた、組織再編意欲の強い事業会社からの出資が増えているそうです。
ひょとしたら自分の出資したファンドが、自分の子会社MBOに出資していたりして。勿論ファンドのマジョリティは持ってはいないのでしょうが。
日経15面の「企業価値を探る」ではのれん代のことを扱っています。アサヒビールの和光堂買収の価格が高いのでは?というニュアンスでありますが、DCF法に利用する資本コストを6%としているのでまだ安すぎる感もあります。年金連合会の指針にも最低8~10%が投資家の期待するROEとなっているので、M&A案件評価の資本コストもそれくらいをベンチマークにしていかないと企業価値を高めるM&Aでないものを実行してしまうのではないでしょうか。