土地基準地価の発表があって以来、リート関連の記事が多く出ています。世間の注目もだいぶ高まったきたようです。

当社の隣のビルも、数年前はダヴィンチXXXXビル、と表示されておりましたが、それが一度変わり、そしてつい最近は、オリックス・リートという看板になっていました。 有名なベルギーチョコの店が入っています。


さて、おなじみ、みずほ証券石沢氏のコメントでは、地価上昇はREITにとって、内部成長(取得済不動産の収益向上にはプラス)、外部成長(不動産新規取得)にはマイナス、とあります。 既存物件の家賃上げや、古い物件の立替等によるバァリューアップ、あるいは売却による含み益の実現などの面はプラス。しかし新規購入は、物件高騰・優良物件不足で厳しい、ということでしょう。

リートについては、シニアハウジングを組入れる点は特色のエルシーピー・リートに取材したことがあります。

有料老人ホームなどの組入れリートは今後増えると思います。こうしたリートはおそらく、地価上昇時は厳しい。地価下落時は他のリートに比べて有利?ではないかと思います。


テナントの有料老人ホームは、入居者から取る料金(家賃・ケアのコスト等々)を周辺地価に応じて上げ下げは できません。

またテナントは原則そこで長期間(20~30年)運営を続ける前提であり、賃貸も長期契約です。こうした物件を保有する側のリートも、原則長期保有という約束のもと取得しています。建物譲渡時には、入居者全員の同意を得るなど、老人ホームの売買は簡単ではないようです。 また現在、主に取得しているのは、新規建築か、リニューアル直後の建物で、当面、建て替えの必要もありません。


そんな状況で、こうした物件を持つリートは、帳簿上の含み益は増えたとしても、実際の賃料は長期間ほとんど変わらない、そして途中の売却による含み益実現も難しい。 そんな状況ですので、地価上昇時は、内部成長は低く、外部成長(新規購入)のコストはアップで厳しいように思います。 一方で、地価下落、暴落時でも、賃料下げは少ない。新規取得のチャンス。

リートの中でも、老人ホーム系は長期的な観点で投資、オフィス系は比較的、短期で見る、という選別が必要でしょう。