群馬県太田市/埼玉県羽生市/オンラインレッスン
長年ピアノを教えていると、発表会には「グランドピアノがあるべきだ」という思い込みがありました。グランドピアノの響きや演奏体験の価値を知っているからこそ、それを大切にしたいという気持ちがあったのです。
しかし、一方で生徒さんは本当に同じ価値観を持っているのか?という疑問もありました。ピアノを学ぶ目的や楽しみ方は人それぞれ。
発表会に求めるものも、必ずしも「最高のピアノで演奏すること」ではないかもしれない。そう考えるようになりました。
そこで前回、これまでの固定観念を手放し、電子ピアノとキーボードを活用した発表会を企画しました。正直、不安もありました。
・「本当に満足してもらえるのか?」
・「グランドピアノがないことで価値が下がるのでは?」
・「演奏の質に影響は出ないか?」
そんな心配を抱えつつ迎えた当日でしたが、結果は驚くほどポジティブなものになりました。
自由度が増し
演奏者がのびのびと
グランドピアノがないことで、逆に演奏者の自由度が格段に上がったのです。
・電子ピアノならではの音色の変化を楽しむ生徒さん
・キーボードを活かしてアンサンブルをする参加者
・舞台のレイアウトを自由に変えられ、演出の幅が広がる
これまでの「クラシックな発表会」とは違い、よりカジュアルで楽しさを重視した雰囲気になりました。生徒さんやご家族の表情も柔らかく、リラックスした雰囲気のなかで音楽を楽しんでいるのが伝わってきました。
今回の経験を通じて気付いたのは「グランドピアノがあること」よりも「演奏を楽しめること」が重要だということです。
これまで私が大切にしてきた「グランドピアノの響き」も、もちろん素晴らしいものです。しかし、生徒さんが求めているのは、必ずしも「最高級の楽器」ではなく、自分らしく音楽を楽しめる場だったのかもしれません。
指導者として「良いものを提供したい」と思うのは大切ですが、時にはその価値観が生徒さんの気持ちと乖離していることもある。前回の発表会は、そのことを実感する機会となりました。
これからの発表会の形
今年も教室発表会の日が近づいてきました。前回の経験を踏まえ、今後はより「生徒さんが楽しめる発表会」を意識して企画していきたいと思います。
・クラシックの発表会の良さも活かしつつ、もっと自由な演出を取り入れる
・参加者がリラックスして演奏できる環境を整える
・「グランドピアノ=発表会の必須条件」という固定観念を手放し、会場選びの幅を広げる
指導者として「良い発表会とは何か?」を改めて考えさせられた前回の経験。今年も生徒さんの気持ちに寄り添い、本当に喜んでもらえる場になったら。
発表会まであと少し。
今回も皆様のお越しを心よりお待ちしております^ - ^