少し肌寒くなってきて

初発の時の体調の悪さを思い出す季節がまたやってきた







この季節はどうしても落ち着かない

何にかわからないけど怖く感じて仕方ない







きっといろいろトラウマになっている







今闘病中の方々のブログを拝見すると







あぁ、そうだった、そうなんだよ、すごくつらいんだよ、と悲しくなってしまう







もし、あの時







絶対治る病気だからね

今はつらいけど頑張ってね








って、言われたなら

気分的には楽に乗り越えられたかもしれない








でも白血病はそうじゃない。







100%治ると誰も断言してくれない。








それどころか生存率の低さを突き付けられてどん底






なにをどう頑張ればいいのかわからない








死ぬことばかり考えてた

精神を病んでいると思われて主治医から

そっち系の薬が処方されて

「私は病んでない!!」って噛みついたこともあった








寝て起きたときに

すごく気分が悪くてつらくなるから寝たくなくて

何日もずっと座ってほとんど寝なかった







今思えばちょっとおかしくなっていたんだと思うけど

当時は自分を維持するために必死だった







あの閉鎖された空間


鍵もなく開けられない窓


窓から見える景色


独特の匂い

抗がん剤が始まると手のひらから

いつも同じ匂いがした

私はあの匂いは抗がん剤の匂いだと思っているのだが

臭くて仕方なかった

何度も何度も手を洗っても

またすぐにその匂いがじわじわ出てくる


生ぬるい水

入院中は滅菌された水しか触れないから、どの蛇口からでる水も全部全部ぬるくて気持ち悪かった

冷たい水にさわりたくて仕方なかった

わざわざペットボトルに水を入れて冷やしてうがいとか顔、手を洗っていた


ぼろぼろの爪に

血色の悪い不細工な顔に

坊主


なんでこうなってしまったのか鏡を見るたびに何度も泣いた







つらくてつらくて

誰かに頑張ってと言われてイライラした







無音の病室のベッド

そこからいつも外を見ていた

海が見えて船が行き交う

今でもその近くを通ると同じ景色が見えて吐きそうになる

一瞬で当時に引き戻されて胸が苦しくなってしまう








なにをどう頑張ればいいのか

もう十分頑張っているじゃないか






治らないかもしれない試練を与えないでほしい