僕自身、社員教育には思考を伝えるのが、遠回りのようで一番近道だと思っている。



ここで思考の話は何度か挙げたが、思考を伝えるのは本当に長い時間を掛けて、根気よくやっていかなければならない。



思考が伝わったと判断出来るのは、教えた人がその思考をまた次の人に教え始めた時が伝わったと判断できる。




しかし、その場面を見て判断していいのは、伝え始めている部分のみを理解したということであって、その他の部分まで思考が伝わったということではない。




だから、かなり気が遠くなる作業だが、これが社員教育だと思う。




今日もある社員が3Sについて、ミーティングで指摘をしていた。



これも新入社員であっても、気になった部分はドンドン指摘をするという思考が伝わっている証拠。




それに対して、先輩社員も「ふんふん」と聞いている。



新入社員や経験の浅い社員が発表をするということは勇気がいる、そういう時には黙って聞いてあげ、そういった社員が発表しやすいような環境にしてあげるのも役職のみならず、先輩社員の役割だ。




新入社員もその期待にこたえていく事で良い組織が出来ていく。

また、その時に「僕はきちんとしていますよ」と発言した社員には「自分がきちんとするだけではなく、他人も見る視野の広さを持つように」と言う補足の注意をした。



発表一つとっても、これだけの思惑があるのだから、全てを伝えるとなると相当時間が掛かる。




また、休憩でも皆で盛り上がっていれば、一歩引いて見るようにしている。誰かが主導になって、話をしているのであれば、それがリーダーシップにも繋がる。




その反対で休憩中に静かであれば、割って入り盛り上げる。




入社時に前職でそういったことを教わってきた人はある程度持っているので比較的速いが、それまでは教わってこなかった人、考えていなかった人にはその人のスキルや意識次第では、一生掛かっても、全て教えられないかもしれないくらいに多い。




結果として、当社でリーダーシップを発揮してもらえるような人の育成がゴールだ。



その為には技術力は当然ながら、リーダーシップも必要。



一人でも多く、一部分でも多く、教えていく必要があり、それが管理職の仕事だと思う。