別に初めてでも何でもないが、母が以前「妹に『はじめてのおつかい』風のナレーションをつけたら絶対面白い」と言っていたことがある。
その発言があったのは、8年ほど前、妹が中学生だった頃。
夏休みに、初めて一人で姉のいる東京へ行ったとき。
もともと一人で電車に乗ったことも、連れなしで町外へおでかけしたこともない妹。
加えて大変天然でぽけ~っとしていて危険な妹だったので、両親は「必ず新幹線ホームで待機していろ」と姉に強く強く念を押していたらしいが、姉がそんなの聞くはずもなく。
寝坊して遅れたから、渋谷のどこかを指定して、そこまで一人で来い、と妹に。
東京駅構内ならまだしも、そっから電車を乗り換えて渋谷まで。
書店もマックも図書館もない、スーパーで売ってるのはほぼ食料品のみ、人口1万2000人のちっこい町から殆どでたことのない、しかも付き添いなしだと町外おでかけゼロになる妹を、ひとりで渋谷まで。
そして渋谷駅でなく、そっから移動!?
姉から口頭説明はあったものの、よくわからない我が妹。
とった行動は…………
ぴっぴっぴっ
「もしもし、お母さん? お姉ちゃんに『渋谷の●●まで来い』って言われたんだけど、どういったらいいん?」
実家(新潟)に電話。
部活から帰って来た私を待っていたのは、爆笑しながらの母のその話だった。
「何で交番とかお姉ちゃんじゃなくて、うちにかけてくるかなーっ!」と、その行動が母のツボにはまったらしい。
そして、母はさらに。
「たぶん今、『こらこらあっちゃん(妹の愛称)、そっちじゃないよ~!』とか、はじめてのおつかい風のナレーションつけたら、面白いことになってると思う」
これに対して「中学生でしょ……」とか思った方もいるかと思われるが。
前述した通り、ほとんど何もない田舎のちっこい町で育ち、友人や家族なしで町外に出た事のない中学生なので。
かつ、うちの妹なので(オフの友人知人ならきっとご理解いただけると思う)。
余談だが、そんな面白い状況想像を提供した(?)姉には、きちんとお咎めがいったらしい。
その後高校へ行っても珍行動が続き、そのたびにこの「はじめてのおつかい」話が復活する。
あの頃は、関東で一人暮らしして、一人であちこち遊びに行ってるとか、そんな今の妹にとってあたりまえの行動なんか、想像できんかったよなぁ……。
と思ったが。最近も大変怪しかったです。
妹よ……。