日記書いてたら長くなったので、小話程度に別記事で。

食事中の方は読まないことをオススメします。

ちなみに『バリウムマスターもびっくり』の記事を読むだけの方は、中間あたりの「さて、これらをふまえて、撮影に入る前……」のあたりを読んでいただければ結構です。



友人知人はご存知のとおり、現在の勤務先では、1ヶ月に1度ほど、胃のレントゲン撮影の手伝いがあります。

とは言っても撮影は技師が行うので、私たちがするのは受付で問診票にナンバリング打ったり、撮影前に発泡剤やバリウムを飲ませるという補助的な仕事。



しかし、バリウムを差し出す時、よく受診者に渋い表情を見せられる。

「飲まないわけにはいかないの?」とか「飲みたくねぇなぁ」とかよく言われるのだけども、ムリッす。飲まなきゃダメなんです。

「胃カメラの方がいいなぁ」とも言われるんだけども……諦めてください。今日はレントゲンなんです。この、直前の、後戻り出来ない状況でそんなこと言わないでっ(泣)

……と、こっち側は内心しくしく泣きながら微妙な笑顔でお渡しすることもしばしば。



つーわけで、どんなものかちょびっとでもご理解いただくべく……というか、飲ませる側がきっついので軽く小話させていただきやす。

少しでもご自身を納得させる手助けになれば、ひいてはご理解いただくことで撮影サイドの心をちょっとでも軽くさせてくれれば……!




まず、飲食制限。

撮影したことのある方はご存知の通り、原則9時以降は食事しない、飲み物も3~4時間前くらいから飲まないようにしていただきます。薬も同様。

これは、胃に残滓(食べ物のかす)が残っていると、胃壁が見えずに読影(異常の有無の判断)ができないためです。個人差はあるでしょうが、9時以降が安全なところなようです。

ちなみに私の経験で、深夜に食事してしまったために再撮影になった方を知ってます。8時間くらい経ってたようですが、全くダメだったそうな。意外に消化ってしないもんなのね……。

「食べてない!」と言い張ってもダメです。お見通しです。だって透視で見ながら撮影するもん。技師にはバレバレなんすよ。諦めて撮られても、「残滓あり」で再撮影……ってパターン結構あるんですよ~。



次に、衣服について。

上半身。

Tシャツやタンクトップなどの肌着。金属類はもちろん、プラスチックボタンやプリント類(見逃す方多し)なども写りこんでしまうので、原則無地色は何色でも構わないが、ボタンもプリントも一切ないものがベスト。

特に直接撮影は胸の上まで撮るそうなので、ボタンがついてたらアウトです。間接はポロシャツくらいなら許容範囲みたいですが、オススメはしません。

そして下半身。

ベルトは引き抜き、ポケットの中身も全て出していただきます。これは金属類などが撮影の邪魔になるという理由から。

ズボンまで脱いでいただく必要はありませんが、撮影の間は気持ち下めに履いていただけると良いそうです。

腕時計やメガネはうちでは着けたままでも撮影してます。でも外した方が良いとは思います。ネックレスなど撮影部位にかかりそうなアクセサリーは完全に外しておいてください。

ちなみにうちでは胃の撮影がある女性には検査着に着替えてもらってます。



さて、これらを踏まえて、撮影に入る前。

色々と飲んでいただきます。ただ、私は飲んだことがないので、正確なお味までレポートできません。ご了承ください。


まず胃を膨らませるため、発泡剤(炭酸)を飲んでいただきます。

そうすると泡が発生してしまいますので、泡をつぶす消泡液をお飲みいただきます。ちょっと酸っぱいらしい。量は15ml。ほんのちびっとです。

んで、炭酸なので、ゲップがでそうになるわけですが……この時ゲップをしてしまうと胃が縮んでしまうので、「ゲップは我慢してください」と言われるのです。

ちょびっとくらいなら平気だそうですが、その辺りは技師が透視で見て「これくらいなら平気か」と判断しますので、どのくらいならOKとは名言できません。

うっかり縮んじゃった場合は追加で飲めますよ★ 嬉しいかどうか知りませんけどもっ!


しかし、胃が膨らんだだけでは、ただの透明な袋同様なので、写りません。

そこで、造影剤のバリウムを飲んでいただきます。

これを胃壁につけて、透明で写らない胃を写るようにします。

うちは直接撮影だと200ml、間接撮影だと180mlです。場所によってまちまちだそうな。

間接だと私らが飲ませ、直接は技師が様子を見ながら飲ませます。


で、噂くらい聞いた事あるかと思いますが、このバリウムが……

無味。



そんでもってまったり。




……らしいです。

行くところに行きゃあイチゴ味など味つきのものもあるみたいですけども、うちのは未だ無味のヨーグルトっぽい見ためのバリウムだそうです。


ちなみに、うちのはボトルが内容量の2倍くらいあるので、結構見ただけで腰がひけちゃう方が多いです。

よく見て! 少ないのよ! 牛乳ビン1本もないのよ!


そして、飲むコツは……

うちの技師さんに言わせれば「あんなもん味わうから飲めないんだ。一気にごくごく飲んじゃえばどうってことない」……だそうな。

舌で味わうような飲み方じゃなくて、喉ごしを堪能するような飲み方だと少し楽らしいです。

でも一気飲みである必要はないです。飲み切れればどんな飲み方でも良し。

誤嚥されるのが恐いので、それだけ注意してください。



ちなみに量があるのは、撮影の間にもどんどん流れていってしまうので、少し多めなんだそうです。だから、技師が透視してみて「このくらいなら大丈夫かな」って判断できる量飲めてれば良いみたいなんだけども。


良いみたいなんだけども……


それは、見てみるまで判断できんので、できればつべこべいわず飲み干していただきたい。(弱気)

底に1mlくらいは許容しますけども、ご自身の判断で「もういいだろ」とか言わないでいただきたい。

私ら拷問してるんじゃないんだから!(飲んでる当人には拷問かもしれんが)

しかし、中にはものすごく良い飲みっぷりの受診者の方もいらっしゃって、渡した直後に「ぐびっ!」終わるような方もいます。こちらが唖然とするくらい。

バリウムにはドラマがあるよね。(なんだそりゃ)



で、飲んだ後はようやく撮影です。

撮影の時、あっち向いたりこっち向いたり、ぐるぐる動かされた経験のある方もいらっしゃると思いますが、あれはバリウムを胃にまんべんなくつけるためにおこなうのだそうです。

あと、何方向か撮るのもあるんだそうな。

その辺りは技師じゃないとちょっとわからないので私は控えさせていただきます。



さて、撮影終了。

終了後は赤玉ポートワイン……じゃなくて、赤い玉の下剤を飲んでもらいます。

これは、バリウムが体内に残ったまま固まるのを防ぐものです。

体内に残ったまま硬くなってしまうと、そのまま胃腸に穴をあけてしまう場合があるんだそうです。

ですので、できれば撮影終わった直後にすぐ飲んで、出るまで水を多く飲んでもらい、便意を促すようにしていただいてます。

便秘気味の人には多めにお渡しもしてます。

効果は個人差がありますが、うちのは弱めで8時間程度らしいです。だから、夕方まで出なかったら追加……というようにしてもらってます。

白いからすぐわかるらしいですよ。

ちなみに、お茶やコーヒー、お酒の類は、逆に水分を奪ってしまうので、より多く水を飲まなくてはならなくなります。お気をつけて!




……うん、色々混ぜたら長くなったな(汗)。

参考になればと思います。