ある日、私が仕事から帰宅すると、塩姉がどんより空気を纏っていた。
「どうした?なんかあった?」
と聞くと、
「バイト、面接ポチってしちゃった」
えー
突然?
前振れなかったんだけどー!
夫もバイトの事何も言わなくなった効果か?
「そりゃ大変だ。で、どこ?」
「某百貨店内の、某高級菓子店」
「なぜそこ?」
「でしょ?なんでここにしちゃったのか、わかんないけど、なんかいいかなって思ってポチってしちゃったんだよね」
「確かに、あそこのお菓子、美味しいよね。」
「まぁ、面接落ちてもそもそも無謀だったんだから、ちょうど良かったかも。」
「まあ、そうね。今回は練習ってことで、ちょうどいいんじゃない?」
それから数日間、初めて書く履歴書に四苦八苦しながら、面接のイメトレ。
そして面接の日。
面接から帰った塩姉に様子を聞くと、
「接客ほんとに初めて?めっちゃ向いてそうだよ、って言われた」
と、ハイテンションな塩姉。
まだ結果はわからないけど、高級お菓子をもらってきたので、良しとしよう