これまた彼のイビキを横で聞きながら手を動かしています。でも本日のイビキはどこか頼りない。
それに同じお布団に入っている足先から浜ちゃんの温もりは…感じません。同じベッドに寝ているものの、浜ちゃんと私には布団で仕切られた壁と心の壁ができています。
入籍日まであと約1週間。
そんな私達、歳の差カップルには危機が訪れています。
その危機は私達それぞれ思うところは恐らく違くて、浜ちゃんは私を傷つけてしまって、もう取り戻しがつかなくなってると自分自身の言動を後悔し、私の心が離れてしまっているのではと感じている危機。
一方で私は、今回の発端で、これまでのように浜ちゃんに体外的にも内面的にも甘えることや話しかけることができなくなりそうな自分自身の冷めてしまった彼への感情の変化による危機。
私は付き合ってから所謂、彼にデレデレ彼女でした。
歳上の相手だということに甘えて甘えまくってこの数ヶ月を過ごしてきました。
それをクールな浜ちゃんは、クールな自分をキープしつつも受け入れてくれていました。と、私が思っていただけだった…
その浜ちゃんの受け入れというのは、どうやら私の勘違いだったと今の私は思いきってしまい、その溝から現在抜けられなくなっています。
いくら歳下といっても年齢的には私もアラサーの一応大人の女。多少の酸いも甘いも経験してきたし、雇用されてる身の社会人として一応立派に働いています。
デレデレするのもどこかで彼に対する一種の愛情表現のパフォーマンスとしてやっていた部分もありました。
そして今回、そのパフォーマンスが相手にとっては気持ちの悪いもので、自分自身の価値も落としてしまった行為だったのだと、彼の言動で気づいてしまいました。
浜ちゃんは今日も仕事帰りで時間を潰してようやく帰ってきた私に「本当にごめん、悲しい顔をさせてしまってるのが辛い」と言ってくれました。
その言葉が嘘だとは思いません。
実際にあの時の浜ちゃんのキツい言動はお酒に酔った勢いだったのもわかるし。
だけど、それだとしても、その時の彼の発言は私に効き過ぎてしまい、結果、今の私は悲しいも辛いも通り越して、クールな女に変身してしまいました。
彼を許してないわけでも、彼に怒っているわけでもなく、むしろ冷静に、酔った勢いだったとは言え彼の言動は私への本心なのだと思えてなりません。
これから私達はどうなるのでしょうか…。
無事に入籍はできても、それより大事な温かい私の感情は取り戻すことができるのか。
私も自分がどうなるのか今は全く想像がつかないず、とりあえず明日の仕事終わりは時間潰しにフットネイルをしてから家に帰ろうと決めて予約したところです。
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