交際&同棲(彼の家に居候)をして5ヶ月目に入ろうとしている私達年の差カップルは、もうすぐ入籍を控えています。
彼にはもちろん秘密ではじめるこのブログ。
無名な自分が恐らく誰にも見られないと思いつつも、どこかで誰かの目に止まったら嬉しいかもなんて本心では思い、今指を動かしています。
「私」はこのブログの主人公である「年下彼女」の28歳。私の彼であり、もうじき夫になる「浜ちゃん」は「年上彼氏」の42歳。
そんな2人の出会いを初稿として書き始めようと思います。今隣で大鼾をかいている浜ちゃんの温もりを同じ布団に包まれた足先から感じながら…。
私と浜ちゃんの出会いは約3年ほど前。
当時、私は都内の閑静な住宅街に異様な空気を醸し出す古びたスナック(と言っても、いつもジーンズを履いたヤニ焼け声のママが一人で営む)で週に一度バイトとして働いていた。
そこのママは何やら占いができるということで、完全にママとお知り合いになりたい好奇心と、そこのスナックには大学時代に私が密かにハマっていたアンダーグラウンドなミュージシャンもお忍びで時々訪れるということを知り、応募をしてみた。
最初は「ちょうど同じタイミングで他の子が決まったところでもう募集してないのよ」と、丁寧な口調であっさりと断られてしまったのだが、その翌日に再びママから「決まった女の子にドタキャンされました。此れも貴女様とのご縁だと思いますので、良かったから面接に来ませんか?」と、これまた丁寧な誘い言葉で連絡をいただいた。
きっとその時から浜ちゃんとの『ご縁』もできていたのかもしれない。
ご縁という言葉の煌めきとそんな言葉をカジュアルに使ってくるママには興味しかなく、言われるがままに面接をして、その週の日曜日からママとお店に立つことになった。
一見さんはお断りではないものの、一見さんは決して入れる雰囲気ではない店には、クセもの揃いの団塊の世代おじ様達しか寄り付かない。間違ってもママ狙いでも、ママの隣に立つ私を含めた女の子狙いでもなく、実は調理師免許を持つ家庭的なママの手料理とDAMのカラオケ狙いで店に入り浸っていた。
ママは一滴も酒を飲まないが、煙草はしけもくを一本でも無駄にしない。客は一滴も酒を飲み残すことも一口も残すこともなくママの手料理を頬張る。誰一人ママから占いを受けるものはいないし、ママも無駄に自身の能力を発揮しない。
客に共通して言えるのは皆んな、既婚者であろうがなかろうが「まだ家に帰りたくない」「一人で家にいるのが寂しい」という思いを心の奥底に抱いている可愛いおじ様であること。
浜ちゃんはその店の中で言ったら最年少クラスに入るおじ様(?)の一人だった。
初めて浜ちゃんと出会った時から彼に惹かれるものがあった。その時はまだ40一つ手前の年齢であったものの、彼女なし、バツなし、子なしの自分の人生を、見かけ上は気にしてない風をだしつつ、何処かで「この人生なんとかならないかなぁ…」と心の声を彼の吹かす煙草の匂いが教えてくれた。
そんな、心の声を隠したくても隠しきれない中途半端な年齢を迎えた浜ちゃんに、私の母性心は初めて会った瞬間からくすぐられていた。
しかし、浜ちゃんと私はただのバイトの子とお客さんの関係。まだ所謂、肌チラ見せて色気を醸し出すスナックの女の子だったら彼を落とすチャンスはあったかもしれない。でもこの店は、トップのママがジーパン姿…むしろそんな素振りを見せたら逆に叱られそうだ。そんなお店の雰囲気に惹かれて面接したものの、その時はやり切れなさを勝手に抱いていた。
初めて会った日から浜ちゃんが来ることばかりをバイト中は願っていたが、浜ちゃんは一向に訪れない。2度目に会ったのは店のクリスマス会で、狭い店内を埋め尽くす団塊のおっさん達の世話に集中する他なく浜ちゃんとは僅かな時間しか話すこともできなかった。
そして…私は昼職の転職を機に、都内を離れ地方へ転居することになってしまった。
心の何処かで浜ちゃんを引きずりながら…