こんにちは。

 

今日は名言相談室。

ピアノを弾くのが大好きな、

Rさんからのご相談です。

 

とにかく本番に弱いです(>_<)

すごく練習してるのに本番で発揮できません。

発表会になると、練習したことを出し切りたいという思いと緊張で空回ってしまい、逆にグダグダになってしまいます。しかも一度失敗すると妙に吹っ切れてどーでもよくなってしまい、周囲にもバレているようで、先日先生におこられました。

というか、もうどうしたらいいのやら。

ただ闇雲に頑張っている気もします。

もう楽しい曲も楽しく感じられません。

私はどのように頑張ればいいのでしょうか。

 

真面目に頑張っているのに思ったとおりの結果が出ないよう。まず楽しくないのはいけませんね・・・

 

今日はそんなRさんにこの手紙をご紹介します。

 

 

*~*~*~*~ <背景> *~*~*~*~

 

モーツァルト28歳。

ザルツブルク大司教と大喧嘩して、そのままフリーの音楽家としてウィーンに残り、ようやく一人前に売れるようになった頃のこと。

モーツァルトはオランダから演奏旅行で訪れていたピアノ教師リヒターと知り合いました。


リヒターの人間性について「一生懸命だし誠実だし。いい奴だなー!」と評価しましたが、一方で、彼のピアノをひとたび聞くやあらららら・・・とズッコけちゃったようで。

このことをザルツブルグの父親に報告しています。

 

この人は演奏はといえばと言えば、

それは沢山演奏します。

しかし、お聴きになれば分かりますが

粗雑で重っ苦しく、

趣味も感情もさっぱりありません。

 

そのくせ、またとない善良な人間で、

高慢なところはこれっぽちもありません。

 

私が弾いてみせると、

じっと私の指を見ていて、

それからいつも言います。


「何てことだろう!

私は汗をかくほど努力して弾くのに、

ちっとも喝采を受けない。

ところがあなたは、

まるでただ遊んでいるようだ」


私は言いました。

 

「そうです。私も大いに努力しなければなりませんでした。

その結果、今ではもう努力せずにすむようになったのです」


ともかく、あの人はやはりすぐれたピアニストの仲間に入る一人です。それに誠実ないい男です。

(※1)


(1784年4月28日 ウイーンより在ザルツブルグの父へ)

 

 

 

とにかくこの手紙には、リヒターの真面目で実直な彼の人柄が演奏に現れています。

 

 ただねえ。

そこまでってのはちょっと惜しい・・・!

 

 と、モーツァルトらしい見立てです。

 

 

 

楽しそうでなさそうなのが、ちょっと惜しい!

 

だそうです。

リヒターさんと同じくRさんも、本来の大事な感情を忘れているのかもしれませんね。

 

モーツァルト師匠は続けます。

「そもそもさ、何のために日々努力するのか。いろいろあるでしょうけど、その発表会が大事なら、本番を一番楽しみな日にするためじゃないかな。


もっといえば、自分をいちばん楽(ラク)させてあげる日、それが本番だってこと。


言っとくけど、

人はやった分しかできないの。

 

ふふふ・・・

 

そのくらいで考えておいたほうがいい。

あ、ちなみにこの言葉はパパのやつです。

僕のじゃない!!!ごめんね笑

 

 

もちろん、お父さんが

「勉強すれば、しただけはできる」

とおっしゃることは、

ごもっともです。(※2)

 

(1778年3月4日 マンハイムより在ザルツブルグの父へ)

 

 

「大丈夫だよ。ミラクルは起きないから。ま、やったぶんだけ楽しくできるよ。そして当日は手と心の趣くままに…逆にミラクルが起きちゃうかもね!」



 

 

・・・起きないかもしれないけど。

 

 

「次に、努力の仕方なんだけどね」と、モーツァルト先生は続けます。


「闇雲に長い時間やっても効果ないよ。パパは、幼い僕をいつもサクッと練習させてた」

 

1761年1月24日、

この曲をヴォルフガンゲルは、

5歳の誕生日の3日前、

夜9時から9時半まで学ぶ。(※3)

(レオポルド・モーツァルト)

 

ちなみに僕を研究しているある学者は「レオポルドはいつでも何でも30分だ」なんて言っている笑!


確かにこの30分って一体どこから来たんだろ?

それは僕にもわからない。

今となっては聞きそびれた笑。


僕が30分しか集中できなかったのか。逆に、30分だけ集中すれば仕上がるような課題を作ってやらせたのか。それとも???


でもこれは、僕には効果があったようだよ。僕はただ長い時間をかければいいと思って取り組むことはなかったし。

 

だからキミも短く区切って練習してみたらいい。

僕がしてきたように。

 

 

いかがでしたか、Rさん。

少しは気持ちが楽になりましたか?


音楽を演奏することを「play=遊び」といいますが、何のための努力かといえば、最後は聴いてくれる人が愉しんでほしいからですよね。

そのために、まず自分が楽しいままでいられる「仕組み」を考えてみてはどうでしょう?


今回モーツァルトさんは、パパから受け継いだ勉強法を教えてくれましたが、実はこれ「ポモドーロ・テクニック」といって勉強や作業に効果的といわれている集中法なんですよ。

しかもレオポルドパパは、そのことを体感で知っていたのではないでしょうか?


親子ともども、

モーツァルト家は、集中の天才かもしれません。

ではまたー飛び出すハート

 

 

さて最後に。

モーツァルトが大いにその人間性を褒めていたリヒターさん。ピアノ協奏曲第15番(K450)をベタ褒めしています!(『アマデウス』でも、市場の場面で少し出てきましたね)

 

実はモーツァルト自身も「この曲は今まで作ったものの中で1番いいやつでねー音譜」と思っていたほどだったので、もう自分の音楽を気に入ってくれるわリアルタイムで意見が合うわ。しかもそれを嫉妬の念も微塵も抱かずに表現してくれるわ。

3拍子そろったリヒターさんに「ピアノはともかく、かわいい奴だよ」と思っていたのでしょう。

 

自信があるあまり、ついビッグマウスになってしまう)モーツァルトには「いつも謙虚」という性格もお気に入りポイント。素直に賞賛していますね(珍しい)


そんな、モーツァルトが「いい奴」と言う人ってどんな人なのでしょうね。肖像画ないのかな?

そんな爽やかくんなら、私たちも一度見てみたいですね!

 

 

 

引用・参考文献:
(※1、2)岩波文庫『モーツァルトの手紙 その生涯とロマン (上)』 柴田治三郎 編訳

(※3)小学館『モーツァルトの手紙』 高橋英郎 著

 

 

 

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