いもたこなんきん芝居におしゃべり♪

いもたこなんきん芝居におしゃべり♪

■■「いもたこなんきん芝居に云々」は女性の好きなもの♪ 訪問、コメント大歓迎。 *不定期更新■■

多趣味でよく遊びに誘ってくれる年上の友人から、「神戸・新開地の喜楽館に行ってみたい」

との希望があり、10/15と11/17開催の桂文我師匠の独演会を打診した処、どちらの演題も

魅力的とあり、両日とも聴きに行くことになったのだが、友人が奈良在住ということもあり、

神戸方面のお寺も一緒に行きたいとのこと。

 

 

何とも欲張りな企画だが、結果、須磨寺と門戸厄神をそれぞれ拝観し、その後、喜楽館での

落語会ということになり、まずは10/15、山陽電鉄須磨寺駅でお昼前に待ち合わせ、お昼に

ということになったのだが、調べたお店がJR須磨駅近くと判り、15分以上も歩いての移動に

なってしまった。友人は少々お冠になったのだが、何分田舎の駅でめぼしい店がなく、何と

かなだめて、「実の里」での昼食となった。まあ、献立自体はおいしかったし、友人の機嫌

も戻ったのだが、ネット検索では山陽電鉄須磨寺駅徒歩1分だったので、トホホである。や

はり、地図での確認は必須かな。場所案内が不備のため、★★★☆☆、かろうじて★3。

 

 

 

 

 

その後、再び、15分程度の徒歩移動で須磨寺へ。私自身、以前の拝観から恐らく20年以上

は経っているのだと思うが、参道から境内まですっかり綺麗になり、昔の面影はほとんど

ない。行きは石段を登ったのだが、帰りにはエレベーターで降りることができ、設備や庭

も整備されて、いい意味での田舎のお寺の風情はほとんどなかった。変われば変わるもの

である。適当にうろうろし、その後、新開地へ。駅前をさらに徘徊して時間を潰し、駅前

の居酒屋さんで軽く呑みかつ食べて、6時過ぎに喜楽館に入ったのだが、あまりの閑散ぶ

りに友人ともども驚いてしまった。演者が気の毒なぐらいの観客の少なさである。せっか

くの独演会なのに、これではあまりにもったいない。もう少し、喜楽館には頑張ってほし

いと切望した次第。

 

 

 

さて、この日の演目は、開口一番に桂文五郎師匠、続いて文我師匠の「癪の合薬」「景清」

となかなか珍しい演目。中入り後、月亭文都師匠で「粗忽長屋」、トリが文我師匠で創作落

語の人情噺「まめだ」としっかり笑わせていただいた。その後は、友人の自宅から遠方とい

うこともあり、高速神戸駅であっさり別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お次は11/17、門戸厄神詣でということで阪急甲東園駅で待ち合わせ、ぶらぶら歩いて移動。

こちらも長年来訪していないので、整備された坂道や階段などに驚かされた。門戸厄神はか

なり高台にあるので、西宮市を一望できてなかなか楽しかった。

 

その後は西宮北口の「西宮ガーデンズ」に移動し、いろいろお店を物色した後、小鉢がメイ

ンのお店で呑みかつ食べ、前回同様、新開地の喜楽館に向かった。

 

 

 

この日の演目は、開口一番に桂文鹿師匠、続いて文我師匠で「兵庫船」「立切れ線香」と今

回はしっかりした演目。中入り後、桂三象師匠で新作落語「読書の時間(桂三枝・作)」、

トリに文我師匠でにぎやかな「音曲質屋」と前回同様、たっぷり笑わせていただいた。落語

も贔屓の師匠ならライヴが楽しい。この日も観客が気の毒なほど少なく、上方落語もさらに

頑張ってほしいものである。

 

この後、切符の購入に手間取り、友人とはそのまま別れた。ちょっとあっけない幕切れにな

ってしまい、友人には申し訳なかったかな。ともあれ、寺社参拝と落語の会は無事終了。ま

たこんな機会があるといいな。

 

東京での観劇が続いたが、11/3、京都・春秋座(京都芸術劇場、京都芸術大学内)での

市川團子丈の自主公演に母と出向いた。今回が二回目とのことで、第一回を見逃したの

が残念だが、何とかチケットを入手出来てホッとしたものである。

 

場所が北白川と京都の北の端で、アクセスがすこぶる悪い。高齢の母を連れているので、

京阪出町柳駅からタクシーでの移動になったが、最寄り駅が叡山電鉄「茶山・京都芸術

大学」駅で、そこから徒歩10分以上、他は北大路からバスで15分・徒歩10分、河原町

からはバス30分、京都駅からはバス50分と、京都は市内中央以外はともかく不便なので

ある。

 

京都芸術大学は、以前は京都造形大学という名で、猿翁丈が生前、講師をしていた関係

で劇場ができたらしい。自主公演にはいい箱なのだろうが、アクセスの悪さは高齢者に

は行きにくく、なかなかの難物である。母と同道の場合はともかくタクシーに頼るのが

最善ということになる。まあ、行きは主要駅からなのでよかったが、帰途は捕まらず、

アプリでタクシーを呼んで、やっと帰宅の途についたような次第である。

 

 

 

 

 

 

さて、公演は全て舞踊で、藤間勘十郎丈との素踊りで「種蒔き三番叟」、團子丈一人で

の「藤娘」と「流星」の三本。途中で團子丈自身が、ポスター撮りの様子や、衣装、鬘、

髪飾りを猿翁丈の所縁の品を復刻したり、真似たりしたという話や、「流星」では今回、

面を使わずに踊ることなど映像も交えての丁寧な解説があり、鑑賞の一助としてはなか

なか面白かった。

 

 

 

幕開けの素踊りは見巧者ではないので、論評が難しいが、折り目正しいきっちりした舞

踊に思えた。「藤娘」は若々しく愛らしく、なかなか見事。「流星」は面を付けずに、

夫婦と老母、赤ん坊を所作で演じ分けるのが忙しく、楽しい踊りぶりが上々。発展途上

ながら、★★★☆☆、魅力の★3.5。これからの活躍がますます楽しみで仕方ない。

 

 

 

 

 

ところで、11時開始なので、途中で持参のお弁当を食べることにしたのだが、これが

大問題だった。劇場内やロビーのソファの使用が認められておらず、劇場外の広場での

飲食と指示されたのだが、この日は大学祭と日程がかぶっており、ただでさえ狭い劇場

外が模擬店と観劇外の人であふれ、テーブルも椅子も全く足りない状況なのである。や

むを得ず、模擬店の会場外の空き地に許可を得て椅子を持ち込み、やっとお昼を済ませ

ることができたような次第。劇場内の飲食を禁止する向きが昨今多いが、約800人を収

容できるスペースもないのに、それは全く無理筋だと言わざるを得ない。まして、大学

祭とかぶる日程では、そもそもの設定が無理ではないのだろうか。

 

ロビーも含め、劇場内飲食禁止とするなら、例えば開始を9時にしてお昼時にかからな

いようにするしか方法がないように思われる(国立文楽劇場も劇場内での飲食は禁止だ

が、許可されているロビーや1階の休憩所に800人の収容は無理なのは、どういう神経

で観客の飲食の問題を考えているのか、こちらも噴飯ものである)。次回は11時をやめ、

15時(2026年は16時開演になり、そちらを希望したが)を希望することにした次第で

ある。

 

幕間、幕の内弁当の名があるように、観劇の合間の食事はそれなりの楽しみでもあるの

に、主催者にそうした配慮がないのは本当に腹立たしい。関係者の猛省を強く要望した

いものである。

 

 

 

 

怒涛の歌舞伎観劇も、この公演で一段落だったのだが、この後、実はもうひとつ友人と

観に行くことになった。いやはや「病膏肓」とはこのことかと苦笑してしまった。そち

らについては別項で少しだけ触れることにしたい。ともあれ、東京、京都と立て続けの

5回の観劇はさすがに過剰だったかも、と少々反省している処である。

 

 

立川から戻って数日、10/29はまたまた母と一緒に南座へ。市川團十郎丈の「特別公演」、

昼の部は「伽羅先代萩」に「不破名古屋」の世界を取り入れた五世團十郎による先行作を

元に、令和3(2021)年に書き下ろされた通し狂言「三枡先代萩」 。ギュッとコンパクト

ながら、團十郎丈がまずは口上であらましを説明、その後、七役を早変わりで務める意欲

的な舞台で、「歌舞伎の世界への招待」と題した夜の部では、華やかな歌舞伎舞踊「二人

藤娘」、様式美溢れる「車引き」、「暫」の拵えを舞台で見せる「荒事絵姿化粧鑑」と全

く異なる歌舞伎の世界を演じる。

 

まあ、観るなら「昼の部」ということで、 仁木弾正、不破伴左衛門、殿様の足利頼兼、

相撲取りの絹川谷蔵、女形の大役・乳人政岡、荒事の荒獅子男之助、「伊達騒動」を裁く

細川勝元を早変わりで演じる團十郎丈の奮闘ぶりを楽しみに足を運んだ。

 

 

 

團十郎丈の早変わり通し狂言は三度目ぐらいになるのだが、いつもながら早変わりは見事。

きちんとニンを演じ分けて鮮やか。乳人政岡の女形ぶりもなかなか(背が高いので、少々

いかついが、充分美形)。何なら八代目襲名の菊五郎丈の政岡より良かったぐらいである。

まあ、好みもあるのだろうが、TV桟敷ながら、八代目の政岡は残念ながらあまりよくなか

ったせいもあるかな。やや太り気味で、悲壮感も薄目と期待外れだったので、團十郎丈の

政岡がよかったのかも。TV桟敷での團十郎丈の仁木弾正は花道の出から引っ込みまでのご

く短時間の出ながら、人ならざる妖しさ満載で目を奪われたのだが、今回は生の舞台だけ

に悪の雰囲気が半端なく、悪役がニンに合うなあと感心した次第。そのくせ、最後に裁き

役の細川勝元ではすっきりした二枚目で、これまた上々。團十郎丈については、強烈なア

ンチも多いが、満員御礼の舞台を拝見するたびに、根強いご贔屓と人気ぶりに目を瞠らさ

れるばかりである。

 

ほぼ團十郎丈の大奮闘ひとり芝居の訳だが、右團次丈の八汐が秀逸。いかにも憎々しい女

形ぶりで、難しい役だけにこれからも観たい配役だった。他に松丈、虎之介丈、九團次

丈、蔵丈らが 手堅く脇を固めた。★★★★☆、頑張りの★4。

 

「夜の部」での「暫」の拵えがロビーに展示されていたが、60㎏の表示に驚かされた。

実際に持ってみる体験もあったようだが、今回はできず、少々残念だったかな。そうした

企画や、早変わり通し狂言のファンサービスぶりはもちろん評価できるのだが、出来れば

もう少しじっくり観たい思いもある。関西在住だけに東京での観劇がなかなか難しく、あ

る意味高望みなのだが、出開帳ではどうしても人数も限られ、少しばかり残念な思いがあ

る。やはり、ベテラン、中堅、若手との絡みをじっくり楽しみたいものである。

 

 

 

 

さて、お次は「立川立飛歌舞伎」、こちらも東京なので、出来れば歌舞伎座観劇と一緒が

よかったのだが、残念ながら日程的にチケットが取れず、やむを得ず別日の10/25に観劇

することになった。

 

当日早朝に出発、JR立川駅まではスムースだったのだが、北出口のタクシー乗り場は長蛇

の列で、しかも全く後続が来ない。仕方なく歩き出したものの、道は不案内で遠回りとな

り、おまけに雨も降りだす始末で、途中休憩もままならず、息も絶え絶えの母を励まして

無理に長距離を歩かせることになってしまった。開演から30分近く経ってやっと到着した

が、幸い中車丈の挨拶および壱太郎丈と團子丈の舞台解説の時間だったので、本編には何

とか滑り込めてほっとしたような次第である。

 

 

 

演目は「連獅子」に「新説小栗判官」、下手で馬上の判官・照手姫、上手で素戔嗚尊の宙

乗り、とサービス精神満点の構成、泉下の猿翁丈もさぞ目を丸くしているのでは、と思う

ばかりである。

 

 

 

まずは、狂言師左近後に仔獅子の精で藤間康詞氏(当代勘十郎の子息、小学校6年生)、

 狂言師右近後に親獅子の精で右近丈による「連獅子」。ともに堂々たる踊りぶりで、見

どころ充分。仔獅子の後ろ向きでの長い花道逆走も見事で、右近丈は格調高く勤めた。

僧二人を青虎丈、猿弥がコミカルに演じ、後の重厚な獅子の舞を引き立てた。★★★★☆、

重厚華麗で★4。なお、獅子の座の入りでセットの一部が鳴り物衆の上に倒れ掛かるなど

のアクシデントがあったが、後見が何とか収めてホッとする場面があったが、それもまた

ライヴ感の賜物かな。

 

 

 

 

 

 

続いて「新説小栗判官」。当代藤間勘十郎氏によるギュッとコンパクトな構成ながら、

笑えるチャリ場、時に泣けて、暴れ馬の曲乗りあり、娘の濃密な片思いと嫉妬の執念あ

り、迫力ある立ち廻りあり、しんみりしっとり恋人の交流ありと盛り沢山な見せ場をこ

れでもかと詰め込んだ見事な意欲作である。いつかは猿翁丈の長大な「当世流」を観て

みたいものだが、今回の構成もまた良きかな、と思う次第。

 

 

まずは中車丈演ずる、兄を手にかけ、その所領を奪い、息女・照手姫を息子と娶せよ

うとする悪人、横山大膳の館に現れたあでやかな傾城の舞が始まるが、ふとした拍子

に怪しまれ、変じて現れた團子丈演じる許嫁の小栗判官への変わり身が見事。いかに

もりりしい若武者ぶりで上々。荒馬を御しての曲乗りも難なくこなし、成長ぶりに目

を細めるご贔屓が多いのでは、と思う次第。事情があって、恋を仕掛ける場でも好青

年ぶりがまたよく、為にお駒の恋の恨みを買うのもやむなしかと、若々しさに脱帽。

ただ、二役の浪七は漁師なのだが、野太い野性味はやや無理目だったかも。ともあれ、

年々伸びしろが半端なく、ぐんぐんと魅力的な立ち役に育つのが嬉しい限り。最後の

照手姫との馬上の宙乗りがまた見事。魅力満載でお腹いっぱい、贔屓冥利に尽きた。

 

 

照手姫の壱太郎丈は、まずは弱々しいお姫様から、旅中の小栗判官に付き添い、病身

を支え、最後には父の仇を立派に討つ毅然とした女性へと変わる姿を演じて見事。團

子丈との息もぴったりで、先々の共演が楽しみで仕方がない。

 

 

小栗判官に恋し、破れて恨みを抱えて死んで祟るお駒の右近丈は情熱的でいじらしく、

その感情表現が豊かで上々。最後の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の宙乗りは、ほぼ

直立不動の姿勢が美しく凄まじかったかな。笑三郎丈のお駒の母、万長後家お槙の娘

を想う親心が胸を打つ。 中車丈の横山大膳は悪人ぶりがなかなか。40歳を過ぎての

梨園入りながら、おそらくは想像に絶する努力の賜物かと頭が下がる思いである。

★★★★☆、堂々の★4以上。遠出も報われて余りある充実した観劇となった。

 

 

 

遠くまではるばる出かけた甲斐があったというものだが、團子丈は観れば観るほどハ

マる役者だとつくづく思わされた。最近、若手の贔屓が増えて、嬉しいやら大変やら

なのだが、歌舞伎座の新装までに惜しくも亡くなった名優たちの大きな大きな喪失も

埋まることはないにせよ、歌舞伎の明るい未来を予感させてくれるのがありがたい。

高齢の母には往復の負担が多かったとは思うのだが、やはりいい芝居を観るのは「命

の洗濯」になるらしく、ついつい出かけることになってしまう次第である。

 

さて、10月19日、Bプロ観劇のために早朝から母と上京。今回は第二部の「木の実、小金吾

討死、すし屋」は仁左衛門丈で、二度ほど見ているためチケットはあらかじめ取らず、幕見

で、と思っていたのだが、一幕席はすでに完売…。ところが売り場で確認してみると、何と

外国人向けの「アップグレード席」があるらしい。日本人も購入可能で、前日からオンライ

ンで販売、しかも席が2階1等席(上座側)の良席なのだ。ただ、一般販売だと第二部は通

しで12,000~13,000円だが、それぞれ一幕ずつになるので、当然割高になる。結果的に、

第二部を倍ほどで購入した計算(詳細は今では不明)になってしまった…orz。

 

まあ、前日に仁左衛門丈が人間国宝に認定され、小金吾の左近丈も観たかったし…と財布の

紐を緩めてしまった訳である。観た甲斐は充分あったので佳しとした次第(^^;)。

 

 

 

 

まずは「鳥居前」。右近丈の忠信はどこか古風だが、雰囲気があっていい。踊りはもちろん

うまいし、狐らしさも上々。そこは團子丈と比べると、やはり一日の長という処。静御前は

左近丈だったが、なかなか愛らしい女形で感心してしまった。二世松緑から当代まで、立ち

役のお家柄だが、左近丈の女形はなかなかのものである。話が飛ぶが、一歳年長の染五郎丈

團子丈と仲がいいらしく、そうなるとこの三人で立ち役も女形もこなせる訳で、三人での芝

居をぜひ観てみたいものである。義経は歌昇丈だったが、こちらは覇気のない、ぼやけた演

じぶりで、巳之助丈の義経が断然よかったかな。まあ、しどころのない役でもあり、難しい

のだろうが、かなりだめだめでがっかりさせられた。

 

 

その巳之助丈だが、渡海屋銀平の鷹揚ぶり、それでいてどこかピンと糸の張ったような緊張

感がありありで、碇知盛の無念さ悲壮さが胸に迫る好演で見事だった。昨今の充実ぶりが伺

え、亡き三津五郎丈が見れば、さぞかし喜んだことかと思うと寂しくもあったが…。彼の役

柄はどれも大きく、存在感が強い。若手というより、そろそろ中堅だろうが、これからがま

すます楽しみでならない。Aプロと同様の面々は同じく手堅く、★★★★☆、★4。

 

 

 

 

 

 

次の「木の実」でのいがみの権太の仁左衛門丈はさすがにうまい。残念ながら、松緑丈の頑張

りも届かなかった感がある。小金吾の左近丈は健気な若衆を演じて上々。ほとんど観ていない

のだが、Aプロ、Bプロともに実に良く、これから「染、團、左」を贔屓していきたくなり、今

年になって、團子丈、左近丈の後援会に入ることにしたような次第である。

若葉の内侍の門之助丈はおっとりした女形ぶりが健在、お里の米吉丈は田舎娘らしさがやや薄

かったかな。弥左衛門の歌六丈はさすがの要ぶり、父の悲哀が哀れで見事。梶原景時の芝翫丈

は一時の不調から脱したようで、堅実な好演に思えた。全体的にAプロよりよく、★★★★☆、

★ほぼ4。

 

 

 

 

続く「吉野山」では忠信の右近丈と静御前の米吉丈のふたりが、まことに絵のような美しさで

上々吉。「川連法眼館」では本物の忠信の侍ぶりが凛々しく、ほんの短い場面だが、亀井六郎

の巳之助丈、駿河次郎の隼人丈との揃い踏みは、こちらもまた溜め息が出るような場面だった。

右近丈の子狐は、團子丈のような可愛さは少ないが、しっかり狐に成り切った演じぶりであり、

踊りもまた見事なもので、宙乗りがないながら、古風にまとめてなかなかの出来栄え。團子丈

の新鮮さとはまた異なる達者ぶりが良く、★★★★☆、★4。

 

 

 

 

A、B両方のプログラムを観る贅沢をした訳だが、その値打ちは充分すぎるほどあったかな。散

財もまた良し、としておこう。今回は母の疲労を慮って一泊したが、宿泊・交通費ともで6万

円弱、チケットは第一部、第三部とも2階B席で計48,000円(12,000円+12,000円×2)で

アップグレード席の分だけ高くついて、〆て10万円強が私持ちになった次第。つまり、十月歌

舞伎座で私としては20万円ほどの出費になり、母も5~6万円ほど支払ったことになる訳であ

る。しかも、実はまだまだ「歌舞伎三昧」が続くのであり、そちらについてはさらに次項に譲

る(^^;)。