例えば生産能力の有無で「女性らしさ」が決まるのであれば、今の私は「何らしさ」になるのだろうと、たまに思うことがあります。

様々な事情で「非生産的な人間」と烙印を押されるに至ってしまっても、「だって自分は妖精(エルフ)だから☆」という前のめり気味な思考で受け流しても良いと思います。
大丈夫。一緒に酒でも飲も。
むしろエルフではなく妖怪だよねーって笑い飛ばそ泣き笑い

子宮の病気になると、「がん」だけではなく、治療内容によっては「子宮周り(子宮+卵巣+卵管)全摘」という現実とも向き合う事になります。

私はどちらに重きを置いてショックを受けるべきか考える余裕もありませんでしたが、これまで当たり前にあった自分のアイデンティティみたいなものを失い、二度と戻らないという現実には、未だにふと哀愁を感じて振り返ってしまいます悲しい

お腹の手術痕をさすさすしながら、「あれだけ面倒だった生理が懐かしいなー」とか、「あの頃は早く閉経したいとか思ってたなー」とか、多分ホロホロしながらお酒飲める。
むしろそういうお話もしながらサバイバーの方とお茶したいシャンパンロゼワイン

がんになったことも衝撃だけど、同時に臓器を失うことも考えなくてはならなくて、色々心の整理がつかずメンタルを保つのが大変だった。

そして私は退院してから一度だけ、赤ちゃんを産む夢を見た事があります。
男の子で、でも自分でこれは夢だと気付いていて、「こういう人生もあったかもしれないのに、産んであげられなくてごめんね」と言っている夢でした。 
いやー相手もいないのに何て夢だよーと、笑い話で母に何となく軽い気持ちで話してみたら、ぐっと涙を堪えているのが傍目にも分かって、とても切なくなったのを覚えております。

摘出した自分の子宮と写真で対面したときも、意外とグロくないなーと呑気に思っておりました。
今まで頑張ってくれてありがとう、大事にしてあげられなくてごめんねと泣

また、子供を産めなくなるだけではありません。
いずれは閉経して更年期障害が訪れるとはいえ、卵巣の摘出で女性ホルモンの分泌は止まってしまいますし、それによって骨粗鬆症や脳梗塞のリスクも高まるという問題もあります。

それに今はそれらを全摘した事よりも、リンパ節を取った事による弊害が一番大きいような気もしております。
特に気にかけているのがリンパ浮腫。
長時間歩いたり座ったりしていると、お股と下半身が重だるくなって痺れてくるんですよね。
そんな日は横になっても、足がだるくて眠れません。
ただの体力不足なのかもしれませんが、浮腫ではないかといつも不安になっておりますもやもや

傍目には元気そうに見えるだけに、「こう見えて色々不調があって大変なんです」とわざわざ周りに言うのもどうかと思ってしまいますし、かといって「意外と元気そうだから大丈夫でしょ」と無茶振りされても無理は効かない体ですし。

そういう事を常に考えて行動しなければならない「今の身体」には、まだ慣れておりません。

だからちょっとアクティブに動いただけでダウンしたり、寒暖差だけでダウンしたり。
思い通りに動けない現実に、それだけで妙に凹んでしまって、「元気だった頃の自分」と比べてしまう悪い癖が出てしまいます。

がんは手術して終わり、治療して終わり、とはいかないものですね。
どちらかというと、私は治療中よりも今の方が強くそれを感じております。

自分の健康のことなんて何も考えずに過ごしていたあの頃が!!

食べることも遊ぶことも仕事をすることも深く考えずにできてしまうことが!!

いかに幸せなことかと!!

二度と戻れないからこそ、無いものねだりしちゃう。

もっと簡潔に言うのであれば、


い ろ い ろ 面 倒 く さ い ちょっと不満


今は尿意もないので普通にトイレへ行けることすら幸せですがな…。




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※あくまで個人的な体験談であり、治療方針や効果を推奨するものではありません。