オレンジ色に染まる街。

お世辞にも都会と言えないその街の、とある橋の上。





いつ以来だろう…

ちょっと懐かしいささえ感じるぐらいの時間を

別々に歩んでいた人がそこにいた。






背丈は前とほぼ変化なく…

いつ見ても一目でわかるほど目を引くのは…




夕日に照らされ

うっすらオレンジ色に染まった




長い…銀髪。




風に吹かれ、さらさらとまるで絹のような美しさ。


…最後に見たあの色のまま…









『久しぶり』







そっと声をかけてみると

先程から川の流れをただ見つめていた瞳がゆっくりとこちらへ向けられる





『…こんなとこに来て大丈夫なの?』






一瞬驚いた瞳が、すぐに感情の色を消し

眉間にきゅっと皺が寄る。




彼女の言いたいこと…

きっと

口に出したくないだろうから



声を発する前に





『それなら大丈夫』

優しく微笑みながら続きを制した。


『…』



『別に、悪い事なんてしてないだろ。…それより』



笑顔が一変、少し曇った表情になる。



『…ずっと…謝りたかったんだ』




『…』




『辛い思いさせて…悪かった』





『…』






彼女は何も言わず、俺から瞳をそらし、自分の髪に手を触れる。

その仕草で、俺が何を言おうとしているか伝わったんだと気づく。



あの日あの場所で

彼女の髪に色素がなくなった原因を作ったのは紛れもない自分だ。


本来、護るべき立場にいるはずだった俺が


一瞬躊躇ったせいで、彼女を動かしてしまった。



あの後、何度も自分の情けなさを悔やんだ。


名誉より何より、優先すべきものを解っていたつもりだったのに…

後悔してもまだ足りない。





『…何を言い出すかと思ったら』






ため息をつきながら彼女は呟く。

一度そらした瞳をまた俺に向け、そして微笑むんだ。




『あの時の貴方の選択は、正しかったんだよ?』





だから謝らないでと、以前と変わらず笑ってくれる君に

俺はまた、あの日と同じく救われてしまった。






俺よりずっと年下なのに

彼女は俺よりもずっと、”自分の選んだ道”が見えていたんだ。




そんな彼女に心からの尊敬と

こんな俺を護ってくれた事への感謝を心でつぶやき


次からは必ず、命がけで護ってくれた彼女の為にも

自分の道と今とを迷わぬよう



進んでいくことを誓ったんだ。




オレンジ色に染め上げていた太陽は

新たな道を歩き出した二人を見届け



水平線の向こうへ静かに還って行った。

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Guardian Deitiesのサイドストーリーとしてずいぶん前に書いていた作品。

締めが弱いんだよなぁ…orz


慎吾とナギの話ですね。



ナギの髪の色は初期設定の段階では紺色でしたが、

1年ぐらい前から、銀に変わっています。



オリジナル小説のGuardian~はスケールが大きすぎて

小説としてまだ足組みが出来てないんだけど(創り出して何年経つんだ…orz)

髪色の話は結構、イメージが出来上がりつつあります。

いつか、この話の裏側の事も書きたいですね。